農作業安全研修を重点推進/農林水産省

農林水産省は、12月1日から令和7年2月28日を、農作業安全研修実施強化期間とし、農業機械作業の安全対策の強化を図る。6年度の重点推進テーマは「学ぼう!正しい安全知識~機械作業の安全対策と熱中症の予防策」で、県段階、地域段階で農業者向けの農作業安全研修を開催し、「農作業安全に関する指導者」が中心となって行う農業機械作業の安全対策の講習を重点的に推進する。全ての都道府県域において研修実施回数を令和5年度よりも増やすことを推進目標としており、農作業安全研修実施強化期間研修資材などを活用し、取り組みを推進する。
農業における就業者10万人当たりの死亡事故者数が増加傾向にあり、死亡事故要因の6~7割が農業機械作業となっている状態が続いていることに加え、熱中症など機械事故以外の死亡者数も減少していない現状を踏まえ、農作業安全対策の6年度の新たな目標は、農作業事故死亡者数を今後3年間で直近の件数から半減(238人↓119人)することと設定した。
過去の都道府県別の農作業事故死亡者数と都道府県の農作業安全研修の実施状況について分析すると、京都、群馬、北海道、香川など、より多くの農業者に対して研修を実施した都道府県の方が平均死亡者数の減少が大きくなっており、令和4年の研修対象人数が100~500人の都道府県では減少人数が「平均1・1人」であるのに対し、2000人を超える都道府県の減少人数は「平均2・6人」となっている。
農作業安全研修実施強化期間においては、「農作業安全に関する指導者」が中心となって農業機械作業の安全対策と熱中症の予防策の研修・講習等を行うことを重点的に推進し、研修・講習等については、単独で開催するだけでなく、既存の会議等に農作業安全の要素を付加することで、正しい知識の提供を行う取り組みも積極的に進める。
その他の取り組みとして(1)広報誌やSNSを活用した注意喚起の実施(2)都道府県・地域単位の推進体制の強化(3)公道走行時の法令遵守(4)労災保険特別加入の促進(5)「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範」やGAPの周知・実践(6)農作業事故情報の収集と報告の徹底―などを実施する。
「農作業安全に関する指導者」とは、令和3年度に一般社団法人日本農業機械化協会等が実施した研修及び令和4年度以降農林水産研修所つくば館で実施している育成研修を受講した者。令和6年2月現在、全国に約5287名の「農作業安全に関する指導者」が育成されているが、地域で実施されている研修の約55%でしか活動できていない。令和6年は、基礎研修と実践研修、熱中症対策研修の概算合計受講人数で約9万4000人と増えている。
農林水産省では、令和6~8年度の試行実施を経て、全ての補助事業等に対して、最低限行うべき環境負荷低減の取り組みの実践を義務化する「クロスコンプライアンス」を導入することとしており、ここには「正しい知識に基づく農作業安全に努める」ことが盛り込まれている。
今回、作成した農作業安全研修実施強化期間研修資材は、トラクタ、コンバイン、農用運搬機、トラクタの公道走行と免許の4ページで構成。これを使用した「農作業安全に関する指導者」による研修の受講は、クロスコンプライアンスのうち「正しい知識に基づく作業安全に努める」に該当する。
トラクタのページでは、「危険個所の確認はしていますか?」と促し、現場で転落・転倒の可能性のある危険箇所を確認し、目印をつけたり、草を刈って見やすくするなどの対策を実施しましょう、狭い道は迂回するか、幅員を確保、道路走行時はブレーキペダルを連結し、特にカーブのある道は徐行運転を心がけましょう―などと呼び掛けている。









