松山 佐藤洋明氏/欧州農機視察団レポート1

第77次農経しんぽう欧州農機事情視察団メンバーより、EIMA2024視察などを通して、欧州農業や農機事情についてレポートしてもらった。第1回は(株)松山の佐藤洋明氏である。
この度は第77次農経しんぽう欧州視察団に参加させていただきまして誠にありがとうございました。全行程7日間、イタリア・フランスの2カ国をまたぐ長旅でしたが無事に視察を終えることができました。関係者の皆様には感謝申し上げます。
私は工場での品質管理や検査、市場クレーム対応を主な業務としております。従いまして他社製品に接する機会はさほど多くなく、ましてや外国製農機の事情については全く疎いので当視察団参加に多少の戸惑いもありました。でもせっかく行くからには何か良いところ、新しいことを学び吸収し、今後の活動に活かすことを期して参加いたしました。
EIMA展では多くのブースを見て回りましたが、会場がとても広いことに驚きました。感想を一言で表しますと「機械の種類が多く、大きくて、メーカーが多数ある」ということに尽きます。世界にはこんなにもたくさんのトラクタメーカー、インプルメーカーがあるとは知りませんでした。会場では若者グループやカップル、子連れ家族を多く見かけました。試乗イベントや飲食コーナーが多々あり、若手や女性、子ども向けに工夫を凝らしている様が見てとれました。欧州の子どもたちにとって農機は「身近にあるカッコいいもの」なのではないかと思います。欧州でも農業従事者の高齢化、少子化が進んでおり次世代への継続が急務のようです。
マスキオ・ガスパルド社への訪問は私の中で特に深く印象に残りました。当初予定されていましたマッセイ・ファーガソン社からこちらへと急遽訪問先変更になりましたが、弊社はインプルメントメーカーですので同業他社の工場を見学できる滅多にないチャンスでした。「イタリアのインプルメント工場とはどんなものなのか?」と期待が高まる反面、胸の内には「まあそんなに大したこともないだろう」、「日本と比べたらそんなに凄いと思うこともないだろう」という感覚が多少あったことも事実です。しかし結果は大きく驚かされるものでした。
はじめに加工工場(材料受入れ・切断、プレス、レーザー加工、ブレーキ、機械加工、爪鍛造・熱処理、材料倉庫)を見学いたしました。工場内は歩行帯が設けられておりましたので安全に見学できました。一面ブルーに塗られた床は美しく、天窓からさし込む陽が当たり明るい環境でした。NC旋盤やマシニングセンターなど日本製の加工機がズラリと並んでいましたが、油汚れもなく、しっかり清掃・整備して使用していることが一目で分かりました。溶接工程ではとても多くのロボットや溶接機がありましたが各所覆われておりダクトから確実に排煙されていました。全体として5Sがしっかりできている良い工場でした。冶工具や仕掛部品は棚に整列保管されており管理はとても良かったです。作業者の皆様はとてもフレンドリーで、こちらと目が合えば笑顔で手を挙げてくれました。些細なことですが、とても嬉しい気持ちになりました。
続けて塗装・組立て工場を見学いたしましたがこちらの工場もとてもきれいでした。ギアボックスの組立て工程や、製品組立て工程では当社も似たような部品や作業が多いので興味深く見させていただきました。マスキオ社では昼食もいただきましたが、とてもおいしい料理でもてなしていただきました。総じてすばらしい会社でした。
フランスでの販売店視察、山下農園訪問も貴重な体験でした。パリから郊外へ出ると一面広大な農地が広がり、この国がEU最大の農業国だということを実感しました。 初めてのことばかりで疲れがどっと出ましたが、ご一緒させていただきました各社の皆様にも貴重なお話を伺うことができ、本当に良い経験をさせていただきました。
今回の経験で得たものをまずは当社の工場管理に取り入れていきたいです。そして日本農業を次世代につなげていく一翼を担えるように努めようと思います。充実した7日間でした。本当にありがとうございました。(製造部品質課課長)









