災害乗り越え食料基地の責担う/九州特集

2024年の九州農業は様々な出来事があったが、今夏は宮崎県で震度6弱を記録した「令和6年8月8日地震」が発生した。県の発表では地震の影響による農作物や農業用施設への被害は軽微だとし、胸を撫でおろしたのも束の間、8月末には台風10号が上陸。加えて竜巻も発生し、農作物の被害や農業用ハウス倒壊などが報告された。自然災害だけでなく、資材、肥料、飼料、燃料価格などの高騰は収束をみせずに農業生産者を悩ませた。それでも農業産出額は引き続き全国の約2割を占め、日本の食料基地として生産活動を続ける姿は健在だ。九州農業のキーパーソンや地域に根ざした企業の製品などを紹介する。
農林水産省が発表した2022年の九州の農業産出額は、主に野菜、鶏の産出額が増加したことから、21年に比べて303億円増加し、1兆8208億円(対前年増減率1・7%増)となった。
主要部門別にみると、野菜の産出額について、主にイチゴ及びタマネギの価格が上昇し、4298億円(同3・8%増)となった。これは、タマネギにおいて前年からの価格高騰が継続したことなどが寄与したものとみられる。鶏の産出額については、主にブロイラーにおいて出荷羽数の増加、価格上昇などから2908億円(同7・0%増)となった。これは、価格が高水準となった輸入鶏肉の代替需要などから、価格が上昇したものとみられる。米の産出額については、主に主食用米において生産量が減少し価格も低下したことから、1408億円(同4・2%減)となった。
22年の産出額を県別にみると、鹿児島県は21年から117億円増、過去最高額の5114億円で全国2位を維持。また熊本県も35億円増の3512億円で5位を維持した。宮崎県は4位から6位に後退したものの、27億円増の3505億円となった。
一方、22年の生産農業所得は鹿児島県が1493億円となり、農業産出額に占める生産農業所得の割合(所得率)は29・2%と広島と同率で全国最下位となった。畜産の利益率の低さなどが一因とみられ、今後のブランディングが課題となる。所得率に関しては、福岡、熊本、大分県は40%を超え、佐賀県にあっては48・2%で全国1位だった。佐賀県は主に野菜、鶏の産出額が増加したことから産出額が101億円増加し、特にタマネギは21年の72億円から172億円に跳ね上がった。
これはタマネギの主産地である北海道での猛暑による不作の影響で価格が高騰したことが要因だとされている。その時期に佐賀県の主要販売会社に取材した際、この現象のことをバブル経済に引っ掛け「タマネギ・バブル」と呼んでいたことが印象的だった。









