木質資源活かす現場を視察/諸岡

(株)諸岡(諸岡昇社長・茨城県竜ケ崎市庄兵衛新田町358)の生産活動を支えるサプライヤー組織・諸岡協力会は11月21日、茨城県および福島県内で最先端木質バイオマス発電所見学会を実施した。「グローバル・グリーン事業」として木質資源の有効活用を進める諸岡の方針に即し、木材チップの原料がどのように林内から運び出され、またどんな利用がなされているのか、参加者は実地に学ぶとともに、諸岡製品が活躍する現場を訪ねて完成品のありようを改めて目の当たりにした。
見学会には諸岡協力会の会員約50人が参加、大型バスに同乗し、普段はあまり見る機会がない林内からの未利用資源(末木枝条など)の搬出作業、樹木粉砕作業を見学。また、木材チップの最終利用工程として、木質バイオマス発電所を訪ね、その設備や発電事業の概要を見聞きした。
木材チップの利用法としては、紙の原料、木質製品の原料、燃料として燃やす、雑草抑制を目的にマルチング材として使うなど様々あるが、今回視察したのはカナデビア(株)(大阪市住之江区南港北)が運営する宮の郷木質バイオマス発電所(安達利則所長・茨城県常陸太田市)。2015年11月に操業を開始しており、発電規模は一般家庭約1万2000軒分に当たる5750キロワット。1時間当たり7・6トン、年間では約6万3000トンの未利用材チップを消費している。
特徴的なのは、地元29の林業体、チップ組合、同社、茨城県、常陸大田市、茨城県森連などが加盟する「宮の郷木質バイオマス燃料安定供給協議会」を形成して原料の安定調達を図っていること。また、原料ヤード、チップ工場、発電所が隣接し、原木貯木場で原木を半年間寝かせて含水率を35~55%に安定化させてから破砕↓燃焼させている点だ。
敷地内には燃料貯留サイロ、燃料焼却ボイラ、蒸気タービン発電機、集塵機、混練灰バンカなどが並び、燃料チップはコンベアを介して直接的にサイロからボイラに移動。燃焼は熱した砂の上に木質チップを投入する流動床燃焼方式で、発生した蒸気を発電機に送り発電。全体的に効率のいいシステムで、日に約2トン排出される灰はセメントと混練し、再生砕石として路盤材などに再利用と、環境に負荷の少ない施設でもある。
これら概要を説明した安達所長は、安定した原料調達を進める上での協議会の役割の大きさを指摘するとともに、茨城、栃木、福島の県産未利用材を活用することで、日本の森林・林業をバックアップする施設として、同発電所の価値を合わせて強調した。
次いで、同所から1時間余、福島県白川郡塙町の真名畑林業(有)(菊地正人社長)が作業を進めている伐採現場に移動した。今年5月に同所を訪ねた折は、まだ山裾の立木を伐倒する作業が行われていたが、いまは末木・枝葉を収集・運搬し、破砕機で粉砕する仕事に追われている。使用機種は諸岡の8トン積みフォワーダと横投入型の木材破砕機MRC―3000。木材破砕機への材の積込みはロータリーフォーク(松本システムエンジニアリング製)を使っている。
諸岡製品の愛用者でもある菊地社長は、現場からの要望、提案を同社に伝え色々と改良してもらってきたと前置きしながら、「未利用の木質資源をもったいないと思ってきた。いま木材チップを供給する仕事に取り組み、まだ思うようにはいかないが、作業の効率化を図り、製品を高く売れる営業努力も進めて、採算を良くしていきたいと考えている。機械はまだ改良の余地があり、なるべく安い機械を提供してもらいたいという思いもある。皆さんのご協力で最高の製品を創り上げてほしい」とあいさつした。
また、諸岡社長は、「会員の皆さんが林業の現場を見る機会は少ないと思うが、こうした場所で通用する機械を供給することが我々の課題」と強調。再生可能な木質資源を活かす流れは今後ますます強くなっていくと展望しつつ、その後押しに積極的な同社の姿勢をアピールした。
会場には関東森林管理局棚倉森林管理署の関係者も視察に訪れ、林業現場での木材チップ生産のもようを見るとともに、今後の再造林のあり方などの検討材料にした。
菊地社長は、この現場の傾斜はまだラクなほうというが、山肌に設えた作業道を下りるフォワーダや木材破砕機が稼働する状況を目の当たりにした会員は、林業機械における傾斜地対応性、堅牢性、安全性などのニーズの高さを改めて認識していた。
実演後、諸岡社長は、見学会の狙いなどについて、次のようにコメントした。
「協力会会員の方が、我が社の機械が現場で稼働しているところを見る機会はあまりないので、今回一緒に来ていただき、木材チップを生産する現場、そしてそれを消費する場として木質バイオマス発電所と、一連の流れを見ていただくことができて、大成功でした。製品ユーザーから、いい機械を作ってほしいとの声も聞かれましたし、実際の林業現場の状況を見て、その意味では、今後の協力企業としてのモチベーションも上がってくると期待しています。我が社では、環境対応の上からも木質資源の有効活用を推進していますので、それに向けさらにより良い製品を開発・供給していくよう努めていきます」。









