各社の対応/茨城県特集

(株)関東甲信クボタ(冠康夫社長)は7月に価格改定を実施した。とくに大きな反動もなく、順調に推移しているという。1~9月の実績は前年比・計画比ともに前年超えとなっている。
2月に下妻市内で開催した展示会では目標を達成でき、来場者からも好評だった。砂沼広域公園での開催は初となり、大規模合同展示会として、1000人以上が来場した。
11月13、14の両日に栃木県内で開催した「スマート農業サンクスフェア」では、スマート農機の展示やクボタのICT農業体験・試乗を実施し、来場者の注目を集め、年末に向けて弾みをつけることができた。やはりスマート農機への関心は高いものがある。
主要3機種はいずれも計画を達成している。シーズン中も動きがよく、来年用として購入する人も多いという。関連商品も順調で、色彩選別機などの動きが活発だ。第3営業部長兼結城営業所長の須藤喜弘氏は「今年はカメムシの発生や被害が多かったことも要因になっているのではないだろうか」と分析している。
また、「担い手ソリューション部とうまく連携できたことも良かったことの一つ。今年は動きが鈍い商品はいまのところなく、在庫があればもっと売れただろう」と須藤部長は振り返る。
修理は前年並み。物価高騰の影響で新品の機械を買い渋る人が多い中、顧客の修理の意識は高まっている。今年は雨が多く、整備をきちんとやっておけば良かったという声も聞く。定期的にメンテナンスを実施することで、スムーズな農作業の実現にもつながる。
スマート農機はドローン、直進アシスト、自動操舵が好調だ。10周年を迎えた営農支援システム「KSAS」の茨城県内の入会者数も年々伸びている。スマート農機を導入することで作業の効率化を目指す人がますます増えており、今後の動きにも期待が高まる。
年末に向けての重点機種として主要3機種を据えた。須藤部長は「売り込み勝負。訪問を徹底し、顧客が何を求めているのかを分析していきたい。売ったら終わりではなく、売った後こそが重要だと思っている。点検訪問などを強化し、情報収集を欠かさず行っていく」と意気込んだ。
ヤンマーアグリジャパン(株)関東甲信越支社(杉山靖彦支社長)は、4月に価格改定を実施したが、大きな駆け込み需要はなかった。そのため心配した需要の反動もほぼ感じられないという。
また、昨年7月の価格改定では大きな山場が作れたが、今期上期(4~9月)も順調で、好調を維持している。例年9月で落ち着く秋商材は、10月以降も活況が続いている。
関東営業部(茨城ブロック)エリアマネージャーの濱崎誠之氏は「農機に限らず、あらゆる分野での値上げが続いており、お客様が慣れてしまっている傾向もあるかもしれない。値上げに関わらず、必要なものを必要な時に買い求める人が増えている」と分析している。
主要3機種ではコンバインが台数を増やした。米の値段が高騰したことや、年度内の税金対策として考えている人も多いため、特に乾燥機や籾すり機、色彩選別機の需要が旺盛だ。
11月21、22の両日に阿見町内で展示会「ヤンマーアグリフェア」を開催し、年末商戦にさらに勢いをつける狙いだ。
展示会場では新製品の直進アシスト・トラクタYT4Aシリーズを実演を交えながら紹介する他、大規模農家向けコンバインや乗用田植機などの主要3機種をメーンに据える。輸入農業機械ジョンディアシリーズもアピールする。
スマート農機は直進アシストの需要が増えており、大型担い手農家は標準装備として捉えている人が多く、2台目や後付けを検討する人もいる。また、ドローンについては今期買い替えの需要も出ており、まだまだ動きがある。
今年の米価格の高騰は久しぶりの追い風となった。近年は競合他社による様々なメディアを使ったPRも増え、顧客も他社製品としっかり見比べながら慎重に吟味しているため、より一層のコミュニケーションの強化と提案が必要とされている。
「お客様の選択肢としていただくためには、日ごろからの緊密なコミュニケーションが大事になってくる。引き続き基本である訪問を徹底することで、お客様との信頼関係を高めていきたい」と濱崎氏。
三菱農機販売(株)関東甲信越支社(平木郁夫支社長)の実績は前年並みで順調に推移しているという。主要3機種はコンバインが好調だ。ちょうど機械の更新時期と重なり、既存の大規模農家の需要を取り込めたことが要因だ。トラクタは前年並み。田植機は伸び悩んでいるという。
昨秋に新発売し、主力商品となっている国産初ショートディスクハロー「KUSANAGI」はWeb予約が好調で、茨城県の農家にもマッチしているようだ。
来年1月に関東甲信越越支社茨城支店で展示会を開催し、年度末に向けて弾みをつける狙いだ。展示会では新型トラクタXS、KUSANAGI、田植機XPSなどを目玉に据え、アピールしていく。展示実演でさらなる拡販を目指す。
茨城支店長の若槻誠也氏は「米の価格が高騰してから初めての展示会となる。収入が倍になっている農家も多く、米関連の機械の需要はますます増えていくのではないか。このまま米価が安定してくれることを望みたいと思っている」と話した。
アフターサービスも順調だ。修理の依頼が増えており、新品を買うよりも、修理をすることで同じ機械を長く使いたいと考えている人が多いようだ。
来年度以降は中古農機の販売にも力を入れていくとしている。物価高騰や後継者不足、高齢化などの影響で、中古を求める声は年々高まっている。「中古農機はお客様に提案しやすく、根強い人気がある。これから販売を強化していきたい」と若槻氏。
農機の営業担当から支店長に就任して2年目となる。「営業マンだった自分が管理職となり、従業員をマネジメントすることの喜びと厳しさを日々痛感している。従業員とともに私自身も成長させてもらっている」と振り返った。
クボタ製品の販売を手掛ける(株)カマリ(小島寛之社長)は1~9月まで順調に実績を伸ばし、10月に大幅アップした。米価格が上昇した影響で、農家の収入が増えている。
10月に稲刈りが終わってから、年末までの数字で確定申告をするために、年内に機械を導入しようと考えている人が多いからだという。
小島社長は「税金対策として、特に大型農家の購買意欲が強い。需要の先食いかもしれないという心配もあるが、来年の上半期まではこの好調が続くのでは」と分析している。
主要3機種は金額ベースで大型のコンバインが好調だった。トラクタは中・大型が好調。田植機はやや伸び悩んでいるという。「大型コンバインは高額だが、前倒しでの購入になったことが影響している」と小島社長。
修理の依頼も増えている。年内に爪を交換したり、コンバインを整備しておきたい人などからの要望が多い。
今年1月に整備士が1人定年退職し、6月に新しい従業員が入社した。修理の依頼が増えると、1人にかかる作業の負荷がどうしても大きくなる。今年は新人教育をしながらのため、タイトなスケジュールを組まないと整備が追いつかない状況となっている。中古需要も増えており、年末にかけて忙しい日々が続きそうだ。
中古は秋ものの畦塗り機や乾燥機が好調で、こちらも年内での購入を検討している人が多い。「米価格の高騰がダイレクトに影響している。教育にも力を入れつつ、お客様の要望にもしっかり応えていきたい」と小島社長。
同社は1925年に水戸市谷中町で「鎌利農機具店」として創業した。来年9月に100周年を迎えることになる。開催時期や内容はまだ決まっていないが、記念イベントの開催を検討しているという。
小島社長は「お客様や取引先、従業員やOB・OGなどたくさんの人の支えがあったからこそ、これまで社業を続けてこれた。記念事業を実施して日頃の感謝の気持ちを伝えたいと思っている」と強調した。









