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令和6年11月25日発行 第3530号 掲載

スマート農業推進協議会が新十津川町モデルなど紹介/北海道特集

 スマート農業推進協議会は10月10日、第3回情報交換会及び寒地水田作地帯におけるスマート化実地勉強会を北海道砂川市地域交流センターゆうにおいて開催した。共催は農研機構、新十津川町。
 同町では、家族経営主体による日本一の良食味米産地形成を目標に掲げ、ベテラン農家の匠の技をデータ化し、経験の浅い担い手や女性が活躍できるスマート農業技術体系「北海道新十津川モデル」を確立するため、白石農園において令和元年度スマート農業実証プロジェクトに取り組んだ。この情報交換会・実地勉強会では、実証成果の広範な地域への情報発信とスマート農業技術体系の社会実装を加速化するため、農業関係者の他、新規就農者等、スマート農業の担い手になり得る地域の潜在的な人材、これまで農業に関係の薄かった産業界に向け、先進地の取り組み、スマート農機のシェアリング実証や技術の活用、産地への支援等の講演、スマート農機(ロボトラ、自動運転アシストコンバイン)の実演と新技術の紹介を通じて、先進経営体との意見交換を行った。
 情報交換会では、推進施策の説明、スマート農業に関する講演などが行われ、実地勉強会は新十津川町の白石農園にて、(株)北海道クボタより、アグリロボトラクタMR1000A有人仕様、同SL60A無人仕様、自動運転アシストコンバインDR6130A有人仕様の説明と実演を行った。講演内容の一部をみる。
 【スマート農業の適用における「農家収益指標」を活用した考え方と今後の産地のあり方について】
 産地支援事業として、スマート農業の技術導入に関する手引書の作成を、栗山町の事例をベースに行ったもの。どのパーツの技術をどのように導入していくべきか手引書として作成した。各地域のスマート農業実証のデータをもとに、どれくらい効率化されるのか、導入にあたってどういう環境が必要か、継続して実装していくにはどのような体制が必要かなどに注力し説明書を作成。生産者が導入した場合、どのくらいの効果が見込めるかがわかるシートも併せた手引書となっている。手引書をPDCAサイクルやOODAループに沿って実践することで、地域に実装していく。使うロボットの種類、測位情報の取得方法、衛星測位の種類など具体的な選択肢を選び取ることや誰から情報を得るのかなどの重要さを説明。岩見沢市の産学官連携体制の構築事例を紹介した。
 また、栗山町では、農業振興公社を中心にして、体制が構築されている旨を解説。同公社で整理している体系別の農家収益指標を基にロボット農機やUAV、水管理システムなどを適用した新たな指標へと更新することを伝えた。計算シートを使用することで、スマート農業技術を導入した場合と慣行との収支の比較などが可能となる。数値的なメリットをある程度示すことで、実現できる体制を構築することが重要であると述べた。
 【家族経営型スマート農業の一貫体系「新十津川モデル」の推進と自治体の役割について】
 まず、新十津川町のスマート農業の取り組みの歩みを示し、令和元年から2年にかけて行った農業技術の開発・実証プロジェクトについて紹介した。
 新十津川町は人口6257人、面積は4万9547ヘクタール、農家戸数508人、耕作面積4600ヘクタールで、主要作物は水稲3500ヘクタール、北海道一の酒米産地。その他にそば、麦、大豆、スイートコーン、ミニトマト、ブロッコリーなどが栽培されている。2040年までに150戸程度に減少し、1戸当たり13・7ヘクタールから30ヘクタールへと拡大すると予想される。水稲主体のため、春作業の省力化ニーズが強い傾向にある。
 前述の「経営面積の拡大」、「春作業の効率化」という課題をスマート農業によって解決すべく取り組んだのが「高品質・良食味米生産を目指す家族経営型スマート農業一貫体系の実証」。町内農業関係団体、(株)北海道クボタ、白石農園を構成員とするコンソーシアムを結成しプロジェクトに取り組んだ。プロジェクトの目標として、労働時間の削減(6時間/10アールに対して5・40時間/10アールで達成)、年間米販売額のアップ(年間米販売額の6%アップで達成)、新十津川モデルの構築は、家族経営型スマート農業の一貫体系構築による水田30ヘクタール経営指標を設定し、農業の魅力発信や農業教育等、内外への発信が可能とした。 育苗での自動箱並べ機から、ロボットトラクタや直進アシスト田植機、ドローン防除、水田センサー、自動運転食味・収量コンバインなどを各作業で活用した。各作業で、25%から67%の作業時間削減効果が得られ、省力化でできた時間を活用し、トマトハウス2棟を増設し、117万円の増収につなげた。小中学生向けの見学会や総合学習なども行っている。
 新十津川町ではスマート農業機械導入への町単独補助事業を平成30年度に創設し、農薬散布用ドローン、GPS機能付き田植機、自動操舵システムの購入を支援。令和5年からは新たにロボット農機を加えリニューアルした。今後に向け、コンソーシアム構成員である北海道クボタ、クボタと3者による連携協定を締結し、実利的、持続的な協定となることを目指し、具体的な取り組みを展開している。
 概要説明の後、白石農園・白石学氏が登壇。「スマート農機によって得られる食味や収量などのデータを活用して収入につなげていく必要がある。得られたデータを消費者に公開すれば、納得して購入してもらえることにもつながる。そのあたりの収益性にも注視しながら活用していきたい」などと述べた。

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