MENU
令和6年11月25日発行 第3530号 掲載

森林×ACTチャレンジ2024/林野庁

 林野庁は2022年から、森林づくり活動を通じてカーボンニュートラルの実現などに貢献している企業等への顕彰制度を実施している。これまでの2回は「森林×脱炭素チャレンジ」として行ってきたが、2024年からは、さらに生物多様性保全等の観点も加え、「森林×ACTチャレンジ」と名称変更。企業、団体、自治体など50件(森林づくり部門43件、J―クレジット部門7件)の応募の中から、グランプリ(農林水産大臣賞)1件、優秀賞(林野庁長官賞)11件が選出された。
 10月9日に都内江東区の木材会館で行われた「森林×ACTチャレンジ」表彰式で挨拶に立った審査員長の皆川芳嗣氏は、今回の改称について「企業などが幅広い視点で森づくりに関わり、アクションを起こしてもらうことをねらった」と説明。また、応募の中には、地域が抱える課題解決に林業が大きく貢献している事例が多くみられたとし、「地球温暖化防止は当然大事な観点だが、それに加えて生物多様性保全が深く求められている。また、山村地域の経済循環にも目を向けていく必要がある。受賞者の取り組みには、そういったことを先導・象徴するものがたくさんあった。それら先進的取り組みを広く発信することで、脱炭素や生物多様性保全の輪が広がっていくことを期待したい」と講評を述べた。
 今回、見事グランプリ(農林水産大臣賞)に輝いたのは、特定非営利活動法人ちば森づくりの会(千葉県千葉市・林隆道理事長)。「森と自らの健康のために!」をスローガンに活動する森林ボランティア団体で、地元の行政や森林組合と連携し、里山林や民有林での植栽、下刈り、枝打ち、除・間伐や、竹林改良、荒廃林再生など、多岐にわたる森林施業を続けている。さらに、間伐材を使用した木工品のイベント出展やログテーブルの公共施設への寄贈などの資源循環、整備したフィールドでの植樹や自然観察会の開催、林内環境改善による生物多様性の改善にも取り組んでおり、地域発展に向けた継続的かつ多岐にわたる活動が高く評価された。
 優秀賞(林野庁長官賞)森林づくり部門では、(株)大林組やサントリーホールディングス(株)など8件が、同J―クレジット部門では、(株)滋賀銀行/金勝生産森林組合、ヤベホーム(株)/対馬市など3件が、それぞれ選ばれた。
 森林づくり部門での受賞となったサントリーホールディングスは、全国26カ所の「天然水の森」で、地元関係者らと連携しながら森林整備と生物多様性保全の取り組みを実施。間伐材は「育林材」として地元の学校や公共施設で活用。さらに、野鳥や哺乳類、植物の生息状況を調査し、豊かな生態系を育む森林の維持・管理にも取り組んでいる。水源涵養だけに留まらず、森林組合などと連携しながら、災害に強い森づくり、作業道開設の技術を持った人材の育成など、多方面で貢献していることが評価された。
 J―クレジット部門で受賞した滋賀銀行/金勝生産森林組合は、購入したクレジットを「びわ湖マラソン」などの大会運営で排出されるCO2のオフセットに活用。クレジット収益は、琵琶湖の水源となる森林での、動植物にも配慮した整備に利用している。これからの環境保全活動において地域の金融機関が果たす役割は大きく、その手本となるような取り組みに評価が集まった。

カテゴリー別最新ニュース