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令和6年11月18日発行 第3529号 掲載

再造林の促進策など全国の事例報告/林業復活・地域創生を推進する国民会議

 10月31日に開催された第9回林業復活・地域創生を推進する国民会議(宮下正裕会長・(株)竹中工務店特別顧問)では、地域の事例報告として、須藤俊一(長野県林務部長)、井上浩之(高知県副知事)、佐藤弘之(宮崎県副知事)の3氏が、それぞれの県として取り組んでいる森林・林業政策、振興策を発表し、現状とこれから進もうとしている方向性を示した。各県ともに置かれた現状を踏まえて、それぞれに焦点を当てて森林・林業・木材産業の活性化策を講じている。
 最初に地域事例報告を行った長野県の須藤氏は、「木や森の『学び』と『暮らし』に会える場所 木曽谷・伊那谷フォレストバレー」について紹介した。木曽谷は、安土桃山時代から続く歴史ある林業地としてはもちろん、日本3大美林で木曽ヒノキの産地として名を馳せている。また、伊那谷では、森が舞台の学びと交流や森と木を活かす取り組みが実践されており、暮らしの中に溶け込んでいる。
 こうした地域特性を活かして長野県が進めているのが「木曽谷・伊那谷フォレストバレー」の実現だ。両地域には、信州大学農学部をはじめ、林業大学校、上松技術専門校、木曽青峰高等学校、上伊那農業高等学校など「木や森の知の集積地」(須藤氏)となっており、人財の育成・輩出からイノベーションの創出を目指す。(1)木や森に関する学びや人材育成の拠点地域(2)森林資源を活かしたイノベーションと雇用が生まれる地域(3)これらが地域ブランドとして確立し、国内外の交流が生まれる地域を目標に掲げている。
 次いで事例報告した高知県の井上副知事は「高知県における木材利用推進の取組について」発表。高知県は森林率84%で全国第1位、人工林の面積は約39万ヘクタールで人工林率65%と全国第2位を誇る林業県。2010年に40万立方メートルだった原木生産量は、2022年実績で74万立方メートルと、この12年間で1・85倍にまで増えるなど、県経済活性化のトータルプランのもと行われている産業振興計画での強化・推進策が実っている。
 林業分野の施策の展開では、「山で若者が働く、イノベーション創発型の国産材産地」を掲げ、川上では「森林資源の再生産の促進」、川中では「木材産業のイノベーション」、川下では「木材利用の拡大」そして「担い手では「多様な担い手の育成・確保」を柱として各種政策を展開。特に木材産地として木材の安定供給に取り組むとともに、需要サイドの企業等と連携し木材利用の促進に向けた取り組みを展開。非住宅・中高層建築の木造化・木質化の推進に取り組んだ。都市木造「高知モデル」の構築など成果を出している。
 宮崎県の佐藤副知事は、「林業経営を行いやすい場所における再造林が進まなければ森林資源の循環利用が困難。本県の森林・林業・木材産業が危機的状況に」との問題意識を示して、特に進んでいない再造林に焦点を当て、県が再造林率日本一に向けて産学官と県民が一丸となって取り組むグリーン成長プロジェクト、いわゆる「宮崎モデル」を紹介。
 また、TVCMや新聞広告等、再造林に対する意識を醸成している。今年の7月2日には、全国初の「宮崎県再造林推進条例」が公布、施行されるなど推進への環境整備が進められている。

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