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令和6年11月18日発行 第3529号 掲載

新技術で収量アップ/東海地域生物系先端技術研究会がセミナー

 NPO法人東海地域生物系先端技術研究会は10月31日、2024年度第3回セミナーをオンラインで開催した。最初に、東海農政局生産部環境・技術課課長補佐の常川真氏が「スマート農業技術の展開について」と題して講演。その後、地域でのスマート農業の取り組みとして、施設園芸キュウリやスプレーギク、中山間カンキツ産地などの事例が紹介された。
 東海農政局の常川氏は講演の中で、今後20年間で基幹的農業従事者は現在の4分の1にまで減少することが見込まれており、このままでは、農業の持続的発展や食料の安定供給を確保できないと指摘。生産方式の転換を進め、農作業の効率化に資するスマート農業技術の活用を促進する必要があるとした。そして、農業分野におけるICT・ロボット技術の活用例として、自動走行トラクタ、無人自動運転コンバイン、ロボット田植機、水管理システム、スマート追肥システム、農業用ドローン、農業用アシストスーツなどを紹介。さらに、AI等を活用した研究開発例として、病害虫診断アプリやキャベツ自動収穫機、ピーマン自動収穫ロボットなどを取り上げた。このうちピーマン自動収穫ロボットについては、AGRIST(株)が開発した「L」を紹介。収穫作業の際に撮影した植物体の画像をAIで解析することで、病害虫の早期発見や収穫量の予測など、データ農業の実現につながることを示した。また、今年10月に施行されたスマート農業技術活用促進法についても触れ、生産方式革新実施計画と開発供給実施計画、それぞれの目的やメリットなどを解説した。
 続く、地域でのスマート農業の取り組みのうち、施設園芸キュウリについては、JA西三河営農部営農企画課の下村堅二氏が、JA西三河きゅうり部会の事例を紹介。同部会は、2004年まで、儲からない・高齢化・選果機の老朽化という三重苦で衰退していたが、2005年に選果機を更新し、キュウリ選果場としては国内初のトレーサビリティを導入。これを機に組織改革を実施して部会の力を結集し、2009年に全国農業コンクール優秀賞を、2014年には日本農業賞集団組織の部大賞(農林水産大臣賞)を受賞するに至ったと述べた。
 同部会では、2016年から部会員全員が、温室環境モニタリングサービス「あぐりログ」((株)IT工房Z)を活用し、データに基づく環境制御を推進。10年でキュウリの単収が約30%向上したなどと報告した。さらに、出荷予測モデルを用いた販売や物流のスマート化、袋詰めの自動化、QRコードを使った産地・農家等の情報提供などにも取り組んでいるとした。

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