乾田直播で規模拡大/クボタWEBセミナー

(株)クボタ(北尾裕一社長)は10月23日、「乾田直播で規模拡大 栽培の心得と播種機の調整ポイント」と題したWEBセミナーを開催した。同社技術顧問の牛腸眞吾氏が乾田直播の特徴や導入のメリットについて説明。アグリテクノサーチ(株)営業部東海北陸担当の古藪大樹氏とスガノ農機(株)の宮本匡氏が播種機の調整ポイントを紹介した。セミナー要旨は次の通り。
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近年では湛水直播が横ばいなのに対し、乾田直播の導入割合が増えている。湛水直播よりも省力化とコスト削減が期待できるとして注目を集めている。
乾田直播のメリットとして▽育苗、代かき、移植が不要で春作業の分散と大幅な省力化が可能▽育苗にかかる費用を削減▽透水性が高まるので畑作物を組み込んだ水田輪作体系にマッチ―などがある。乾田直播は水田作のさらなる規模拡大が見込まれる経営や水稲と園芸などの複合営農で春作業が競合している経営などにおすすめだ。
アグリテクノサーチの高速汎用施肥播種機NTPシリーズを紹介しよう。NTP―6AFPは6条で60PS以上のトラクタに、NTP―8AFPは8条で80PS以上のトラクタに適応する。
調整・セッティングのポイントは3つ。
(1)トラクタへの装着について。トップリンクの調整は播種機が地面と水平が基本となる。肥料ホッパーの上面が水平になる程度に調整しよう。播種床の硬さはかかとで踏んで2センチ沈む程度を基準に。柔らかい圃場ではやや後傾、硬い圃場ではやや前傾がおすすめだ。
(2)ゲージ輪の調整について。ゲージ輪は平行リンクが地面と水平になる程度に高さを調整。耕うん後などで圃場が柔らかい場合には、ゲージ輪を下げて播種機全体が地面を押す力を弱める。トラクタ後輪の後ろの条は加圧レバーを強くするのが望ましい。
(3)播種深さの調整について。鎮圧輪の調整ネジで播種深さを決定する。播種深さは1・5センチ程度が目安。ネジ位置を0・5センチ変更すると播種深さは約1センチ変化する。条ごとの播種深さの微調整が簡単に行える。
NTPシリーズの最大の特徴は「点播」。ダブル播種プレート構造で高速作業での「点播」ができる。スプロケットの交換で6段階の株間調整が可能で、6種類の乾田直播用の播種プレートとの組み合わせで播種量を決定する。点播のメリットとして、▽風通しが良く、生育が安定する▽耐倒伏性が向上する▽播種量を抑えることができる―などがあげられる。
続いて、スガノ農機の最適な播種床づくりと播種機の調整方法について紹介したい。乾田直播の作業体系は(1)表面排水(2)心土破砕(3)反転耕起(4)均平(5)播種(6)鎮圧―の流れで行う。
(1)表面排水では、溝掘機で表面余剰水を排出し、乾土・乾田をつくる。プラウタイプはPTOを使わないので高速作業が可能。ロータタイプは土を遠くに飛ばしてくれるので播種後にも使える。
(2)心土破砕で透水・排水性の改善を行う。トラクタで作業すると土壌が踏み固められ、作土の下硬板が形成されて根張りや水の浸透が悪くなる。これを改善するのが心土破砕だ。サブソイラなどで硬盤層に亀裂を入れ、透排水性を向上させる。 また、根の生育環境が拡大するため、根張りが良くなり、養分吸収が旺盛になるほか、湿害にも干ばつにも強い圃場をつくることができる。心土破砕はプラソイラ、サブソイラ、ハーフソイラの3タイプを用意している。
(3)反転耕起のリバーシブルプラウは有機物反転鋤き込みによるプラウを使った土づくりを実現する。特徴として▽残渣物や雑草などの有機物を反転させ、鋤き込むことで腐食され、微生物や小動物の活動を盛んにし、根圏域が作物にとって快適になる▽反転を繰り返すことでプラウの耕深が根圏域となり、その拡大が図れる▽収穫後の団結した下層の土壌に適度な水分と酸素が与えられる―ことなどがあげられる。
(4)レーザーレベラーは乾田直播の播種床づくりに不可欠な高精度均平を可能にする。反収を上げるためには高低差をなくす必要がある。圃場の均平状態が悪いと圃場内での苗立が不安定となり、収量に影響を及ぼす。乾田直播ではレーザー均平での施工が必須。
(5)ドリルシーダーは高精度で効率的な高精度播種を実現する。最適な播種深は2~2・5センチ。浅くなりすぎると出芽までの水分状態が乾湿の影響を受け種子にストレスがかかったり、鳥害のリスクが増えたりする。
深くなりすぎた場合は、地温が低く出芽に必要な温度を確保しにくいため出芽が遅れる。地域的に寒くて積算温度が取れない地域は1~1・5センチを推奨する。
(6)ケンブリッヂローラーは播種作業前後の表面鎮圧に最適。漏水を防止したり、種と土を密着させることで発芽率を上げるなどの効果がある。









