MENU
令和6年11月18日発行 第3529号 掲載

農村の付加価値創出/農林水産省 食料・農業・農村政策審議会企画部会

 前回に引き続き、10月16日に行われた第111回食料・農業・農村政策審議会企画部会の検討内容をみる。
    ◇
 ◆多面的機能の発揮
 (2)日本型直接支払のあり方
 課題=▽人口減少が進み、農業生産活動の継続、ひいては多面的機能の発揮に支障を及ぼすことを懸念▽多面的機能支払交付金については、人口減少や高齢化により活動参加者が減少し、地域の共同活動の継続を懸念▽中山間地域等直接支払交付金については、高齢化による協定参加者の減少等により、活動の継続が困難な協定の増加や協定の廃止を懸念▽多面的機能は、環境への負荷の低減が図られつつ発揮されなければならないが、長期中干しや冬期湛水等の取り組みについて、地域ぐるみで行う水管理調整が必要になることから、取り組みの十分な拡大が図りにくい状況
 検討の視点=▽多面的機能支払交付金について、活動組織のさらなる体制強化に向け、広域化を図りつつ、県・市町村等の支援により外部団体等とのマッチング、多様な組織や非農業者の参画等を推進。また、広域化を進めることで、集落の人員不足を補うために複数の集落で草刈りや水路の泥上げ等の活動を行う体制づくりを推進▽中山間地域等直接支払交付金について、共同活動を継続できる仕組みを構築するため、集落協定のネットワーク化や多様な組織等が活動への参画が可能な体制づくりを推進▽これまで環境保全型農業直接支払交付金で支援してきた長期中干しや冬期湛水等の取り組みについて、地域ぐるみの活動により環境負荷低減の取り組みを推進していく観点から、今後は多面的機能支払交付金で支援するなど、新たな仕組みを導入
 ◆農村の振興
 (1)「経済面」の取り組み
 課題=▽6次産業化の取り組みは、近年頭打ちとなっており、農林水産物に限らない多様な地域資源の活用や農業者以外の多様な主体の参画が必要▽農泊については、平均宿泊費が観光旅行全体に比べて安価▽農福連携については、取り組みのさらなる拡大に向けた仕組みづくりと認知度の向上、障害者のみならず社会的に支援が必要な人の農業を通じた社会参画の実現が重要▽農業の担い手以外も含めた多様な人々を農村に呼び込み、所得の向上と雇用機会の創出を図ることが必要
 検討の視点=▽農村における付加価値を創出するため、農泊や農福連携など、農村の地域資源をフル活用し他分野と連携する取り組みをさらに推進することにより、付加価値のある内発型の新事業を創出することが必要▽農泊については、観光庁等と連携しつつ、地域内の関係者を包含した実施体制を構築し、インバウンドを含む旅行者の農山漁村への誘客促進や、宿泊単価の向上(高付加価値化)に資する取り組みの推進が必要▽農福連携については、地域単位での推進体制づくり、企業・消費者も巻き込んだ取り組みの意義や効果の理解促進、ユニバーサル農園の拡大等の推進が必要▽他分野の事業者が、農業農村分野で新規事業を展開する素地を創り、所得と雇用機会の創出を図ることが必要▽関係人口の創出・拡大に寄与する市民農園の整備の促進が必要
 (2)「生活面」の取り組み
 課題=▽生活の利便性が低いと、さらなる高齢化・人口減少につながり、集落存続の危機が深まるため、日々の生活に必要な生活環境の改善が重要▽特に中山間地域では、人口減少等により、農業生産活動のみならず地域の共同活動の継続についても懸念されているほか、地域資源の保全や生活など集落維持に必要な機能が弱体化しており、その補完が必要
 検討の視点=▽地域内外の農業者と非農業者が連携して農用地の保全、地域資源の活用、生活支援などに取り組む農村型地域運営組織(農村RMO)の形成が必要。特に中山間地域等の小規模集落向けに、農村RMOの立ち上げや活動充実の後押しと、市町村・都道府県・関係府省と連携したサポート体制の構築を推進することが必要
 (3)民間企業や関係省庁との連携を通じた経済面・生活面の取り組み
 課題=▽各地域における経済面・生活面の課題解決には、農業者だけではなく、外部(他産業・他地域)企業を巻き込んで対応することが不可欠▽集落機能の維持が困難になった場合においても、地域農業を継続していくことが必要▽関係省庁間の連携を強化し、地域の実情に応じたきめ細やかな対応が必要
 検討の視点=▽民間企業や農村を含めた地域振興に係る関係省庁と連携し、官民共創の仕組みを活用した地域内外の民間企業の参画促進や地域と企業のマッチング等を行うことが必要▽関係省庁との連携のもと、地域おこし協力隊の農業への従事や農村RMOへの参画、特定地域づくり事業協同組合制度による農村RMOや農業等への人材派遣、二地域居住の普及・定着による農村への人の呼び込みなどの推進が必要
 (4)地域の共同活動
 課題=▽草刈りや泥上げ等の地域の共同活動については、活動参加者の減少や高齢化による組織の弱体化が懸念されることから、活動の継続に向けた体制整備が必要
 検討の視点=▽中山間地域等直接支払については、共同活動が継続できる仕組みを構築するため、集落協定のネットワーク化や多様な組織等が活動への参画が可能な体制づくりを進めることが必要▽多面的機能支払については、活動組織のさらなる体制強化に向け、広域化を図りつつ、県・市町村等の支援により外部団体等とのマッチング、多様な組織や非農業者の参画等を推進。また、広域化を進めることで、集落の人員不足を補うために複数の集落で草刈りや水路の泥上げ等の活動を行う体制づくりを推進することが必要

カテゴリー別最新ニュース