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令和6年11月11日発行 第3528号 掲載

各社の対応:スマート農機の販促強化/鹿児島県特集

 (株)南九州沖縄クボタ(冨田泰史社長/鹿児島県下22拠点・118人)の2023年の実績は前年比微減となった。これについて今年4月の人事異動で営業本部長に就任した鳥越浩二氏(1983年6月、(株)宮崎クボタ入社)は、子牛の価格下落や飼料の高騰などが影響し、畜産関連の売上げが減少したことが要因だとした。23年の主要機の動向は、トラクタは24~35馬力が主流で前年並み。トラクタに自動操舵システムをセットし、実演を推進した。田植機は4条・5条植えが主流。GS田植機は6~8条が伸長。コンバインは3条・4条刈が主流だった。作業機はショートディスクに加え、スライドモアなどの草刈機関連も伸長した。また、ラジコン草刈機とドローンは実演依頼が増加し、今後の販売につながる見込みが増えた。
 24年、3月・6月は価格改定の7月に向け、営業所合同の展示会を開催し駆け込み需要に対応した。その結果、トラクタの売上げが伸長したが、10月までの実績は前年微減となっている。年度後半について、同営業本部長は「子牛価格の下落で畜産関連の需要は底をついていると感じる。一方で、米価の高値で米農家の雰囲気は良い。田植機・コンバイン以外にも需要の掘り起こしに注力している」と述べた。推進機種はGSトラクタとGS田植機。トラクタはあぜ塗りやハローなど各地域の需要にマッチした作業機と合わせて実演している。主要営業所にRTK基地局を設置し、きめ細かい操作性をアピールしている。
 今後のイベント開催の動向は、鹿児島・宮崎県合同で、担い手をターゲットにした野菜作の実演会を11月に開催する。移植機や管理作業機、自動操舵システムなどを実演する予定だ。
 農機の整備・修理サービスの動向は、積極的な入庫点検の呼びかけが繁忙期の突発的な故障防止につながるとし、顧客に点検の案内を送付。サービスセンターでの入庫点検を強化している。また、25年から年休を10日間増やし、スタッフの働きやすさと増員にも努めている。
 (株)ミズホ商会(田中丈尋社長/大隅エリア9拠点・35人)の23年度の実績は、前年比微減となった。田中社長によれば、子牛の価格下落や飼料価格高騰などの影響で、畜産関連の売上げが悪化。21年度から開始した農作業受託サービスに関しても、単価が見合わないケースが増えてきたという。主要機の動向は、トラクタは30~50馬力が主流で、前年比減となった。
 24年度の推進活動は、トラクタに作業機をセットして実演を強化。また、自動操舵システムの販促にも注力する。同社長は「今年は農産物の高値で農家の雰囲気は良い」とし、顧客の購買意欲向上に期待を寄せた。重点課題としては、農機の整備修理や作業委託サービスにおいて、工賃を見直し、適正価格の徴収を徹底する。同社長は「農機の売上げから予測して、この地域では更に離農が増えると考えているので、収益の改善は必須事項。また、安価な農機を販売すると、結果として低単価の修理依頼が増えるので、そういったサイクルも改善すべく、スタッフへの教育なども徹底していきたい」と方向性を語った。
 ヤンマーアグリジャパン(株)九州支社(増田広次支社長)南九州営業部・鹿児島エリアの23年度の実績は前年並みで推移した。末永勇作エリアマネージャーによれば、子牛の価格下落により畜産関連の売上げが振るわなかったが、ダイコン・タマネギ・ニンジン・サツマイモなどの野菜価格が堅調だったことを受け、畑作農家への訪問を強化し、地域別、作物別の個別実演に注力することで乗り切ったという。また、県下合同の展示会を大隅支店において2月に開催し、顧客との接点維持などに努めた。主要機の動向は、トラクタは直進アシスト仕様を含め33~57馬力を中心に伸長した。田植機は6条植えが主流となり、4条以下は減少傾向。コンバインは3条刈が主流だった。作業機は、22年から引き続きミノスアグリのディスクハローが伸長した。また、スライドモアや、直進アシストトラクタとうね立て整形機のセットは、実演依頼が増加した。
 24年度になり、子牛価格は低調のままで畜産関連の苦戦が続く。そこで前半の推進活動は、主要機・作業機の点検整備の受注、野菜・米農家へスライドモアやフレールモアなどの実演強化、そして中古機の推進などに舵を切った。加えて、グランメッセ熊本において九州合同の展示会を7月に開催。最新のスマート農機を中心に展示し、多くの顧客が来場し盛況であったという。
 24年度の後半の推進は、直進アシストトラクタに、うね立て・ディスクハロー・ディスクロータリーなどの作業機をセットして実演活動を強化。一方、関連資材の販促はSNSなどを活用して行っている。また、訪問における顧客とのコミュニケーションを重視し、ニーズの掘り起こしや提案活動などにも力を入れている。今後は、拠点ごとの定期的な試乗会や展示会を開催予定だ。
 農機の整備・修理サービスの動向は、稲刈り後のコンバインの点検整備を推進。米価の高値を追い風に、整備に消極的な顧客を中心に販促することで、繁忙期の「手を止めないサービス」につなげる。また、スタッフに対して、大型の輸入作業機に対応できる技術研修を定期的に実施し、顧客サポート力の向上を図る。
 (株)ヰセキ九州(中谷清社長)南部支社鹿児島営業部(18拠点・98名)の23年度の実績は前年並みとなった。石田伊宣支社長によれば、子牛価格の下落や飼料価格高騰の影響で、畜産関連作業機の売上げが減少した。稲作関連も減少傾向にあったといい、メンテナンスや中古機の委託販売などで実績の維持に努めたという。主要機の動向は、25~60馬力の新型トラクタ「BFREX」が牽引。自動操舵システム「CHCNAV」とセットで実演し、どちらも売上げを伸ばした。CHCNAVは、低価格ながら他メーカーと同等の精度がユーザーに受けた。田植機は5条・6条植えが伸長し、4条は減。コンバインは幅広く2~6条刈が横ばい。
 24年度、展示会「初春感謝市in九州」を今年2月、グランメッセ熊本で開催した。ヰセキ九州全体の展示会としては約20年ぶりとなり、最新のスマート農機や巨大な作業機など、普段はあまり目にすることがない機械も展示し、鹿児島からも多くの来場者が訪れた。これについて同支社長は「価格改定前の駆け込み需要に対応し、良いスタートダッシュができた」と述べた。その後は、BFREXの実演機を各拠点に導入し、新製品のレベリングシステム「CHCNAV IC100」も合わせて実演を強化した。同製品はBFREXなどの同社トラクタを使用すれば、ハローなどの直装作業機に対応している。代掻き作業などに応用ができ、実演を実施したユーザーから高評価だ。また、同社はCHCNAVシリーズを購入した顧客に対し、27年3月まで、位置情報補正データサービスの無料提供を開始した。24年度後半は、これらの施策と米価の高値を追い風に、更なる農業機械の普及を目指す。また、中古機の委託販売も継続して注力している。今後のイベント動向としては、11月に「秋の感謝祭」と銘打った合同展示会を実施する予定だ。
 農機の整備・修理サービスでは、オイル交換キャンペーンなどを呼び水に、入庫点検の販促を強化している。点検を推進し繁忙期の突発的な故障を防止することで、顧客サポートに尽力している。
 三菱農機販売(株)九州支社(松尾秀二支社長)鹿児島支店(5拠点〈沖縄2拠点含む〉・15人)の23年度の実績は、農業資機材の値上げや子牛の価格下落などが影響し、前年比微減となった。主要機の動向は、トラクタは33~36馬力が主流。またサトウキビ管理作業用の17馬力が堅調。コンバインは4条・5条刈が主流。田植機は、4~6条植えのペースト施肥仕様が伸長した。8条に関しては、ほぼペースト施肥仕様が占めた。
 中村俊夫支店長は、これまでペースト肥料は粒状に比べ高価であったが、肥料価格の高騰を受け、双方の価格が同等になったことを要因のひとつとしてあげた。加えて、使用後にカプセルなどが出ないので、環境への配慮としてペースト施肥仕様が選ばれているのではないかと分析した。作業機はスピーディーな作業が好評の小型ディスクハロー「KUSANAGI MDH1820」が伸長した。草刈機では、猛暑の影響で作業時間を少しでも短くしたいという顧客に、スライドモアやハンマーナイフモアなどの作業機、また歩行型もパワフルな機種が伸長した。
 24年度、前半はKUSANAGIなどの新製品を中心とした実演を強化した。また拠点展示会を今年9月に開催したが、猛暑の影響からか12~15時の客足が悪く、開催時期見直しの検討材料になったという。
 同支店長によれば、早期米、それに続く普通作米の高値で、顧客の購買意欲は良好だという。この追い風に乗り、後半もKUSANAGIを中心とした実演、また新製品の18~25馬力トラクタ「X〈クロス〉S」シリーズの販促に注力する。同社ではウェブサイトによる実演依頼を受け付けており、特に離島の顧客からの需要が増加している。
 農機の整備・修理サービスの動向は、今年4月に作業別単価の見直しを含む価格改定を実施した。これにより、長期間の使用を見据えた部品交換などが行いやすくなり、繁忙期の故障を未然に防ぐ顧客サポートにつながっているという。またスタッフ増員、そして育成も重要課題だ。今夏からフレックスタイム制度を導入した。働きやすさをアピールし、人材募集の好材料にしたいと同支店長は述べた。

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