ヤンマーデザイン戦略を発表/ヤンマーホールディングス

ヤンマーホールディングス(株)(山岡健人社長)は8日から15日まで、東京・八重洲のYANMAR TOKYO地下1階「HANASAKA SQUARE」でヤンマーデザインを結集した展覧会「YANMAR DESIGN みらいのけしき展」を開催している。開催に先立ち7日には、報道関係者向けのヤンマーデザイン戦略説明・内覧会があり、同社取締役CBOブランド部長の長屋明浩氏と、ブランド部デザイン部長の土屋陽太郎氏がヤンマーデザイン戦略について説明した。
会場には初公開の原寸大のコンセプト・トラクタ「YPV―L」を展示。運転席に大型モニターを設置し、他の自動運転農機などを同時にコントロールする司令塔としての役割を持たせた。完全自動化に向けたキャビンレス仕様を想定し、作業場所や作業者のニーズに合わせたカスタマイズを可能にした。
また、今年1月に発表した無人の小型農機「e―X1」や、リニューアルしたヤン坊マー坊の立体像を並べた。さらに自然の力を最大限に活かして環境負荷を低減する次世代ヨットの映像や、ヤンマーが制作する商業アニメ「未ル わたしのみらい」に登場するロボットの原寸モデルも初公開した。
開催に先立ち7日に行われた報道関係者向けのヤンマーデザイン戦略説明・内覧会では、同社取締役CBOブランド部長の長屋明浩氏と、ブランド部デザイン部長の土屋陽太郎氏がヤンマーのデザイン戦略について説明した。
同社は社内外、企業、一般生活者をステークホルダーと捉え、巻き込みながら共に歩む、ブランド価値を向上させることを目的に、人々に共感・信頼してもらえるデザインを目指してきた。
このたび、長屋氏が中心となって提唱した機械本来の機能的な価値や意味を重視する「本質デザイン」という考え方に基づき、次世代ヤンマーデザインのありたき姿を視覚化した「YANMAR PRODUCT VISION(YPV)」を発表。
YPVから生まれたデザイン要素とこれまで同社が培ってきたデザイン要素を融合させたプラットフォームを構築することで、農業機械や建設機械、ボート、各種サービスなど同社のプロダクトに順次適用していく予定だ。
みらいのけしき展で初披露しているコンセプト農機「YPV―L」は2035年の農業・建設機械の未来を見据えた革新的な設計思想による先行デザイン。ひとつのパワーユニットに頼らない、作業をするうえで最適なパワートレインを選んでいく。
また、ヤンマーは基本的に多燃料化をターゲットにしている。それに対応できるのが今回のコンセプトになっている。
「YPV―L」はあらゆるパワートレインに対応し、エアレスタイヤに空洞部分を設けることでエンジンと冷却系との距離を引き離し、冷却効率を高めた。キャビンポジションは高い居住性と自由度の高いトレッド設定を実現している。
土屋氏は「農作業がこれから劇的に進化していくことを想定し、新しい時代にともに働く相棒となるようなデザインを追求した。将来的にはすべての事業製品で、デザイン開発の効率化を図っていく。共通のデザイン思想を通して顧客価値の最大化を目指していく」と説明した。
同社は、今年で創業から112年目となる。創業者である山岡孫吉翁は農家の負担を減らして人に貢献することを目指し、人や社会のために様々な機械の開発を手掛けてきた。
長屋氏は「私たちデザイナーも創業者と同じ気持ちだ。有人無人を問わず機械というものは人が操作する道具。キャビンを共通化し、できるだけオペレーションを簡素化することで、人が直感的に操作しやすくすることを重視した。柔和剛健(人に対して優しく、課題に対して剛健になること)で、より使いやすくてタフな作業を実現させたい」と話した。
今回、新たな取り組みとして「本質デザイン」の考え方に基づき、YPVに含まれるデザイン要素をプラットフォーム化することで、部材・設計の共通化に加え、未来の作業を見据えた新たなインターフェイスによる直感的な操作性や居住性も向上させていく。また、開発工数の効率化や、コスト削減にも寄与していく。
これらの考え方をヤンマーの事業領域である大地(LAND)・海(SEA)・都市(CITY)に重ねてそれぞれの分野のプロダクトに展開し、持続可能な社会の実現を目指していく、としている。









