米、果樹の減少懸念/農林水産省・食料・農業・農村政策審議会企画部会

農林水産省は6日、東京・霞が関の農林水産省講堂で、食料・農業・農村政策審議会企画部会(第112回)を開き、食料・農業・農村基本計画の策定に向けて農地、人、技術に関する課題を検討した。農林水産省からは、供給能力確保に向けた品目別の現状分析・克服すべき課題・検討の視点に関する資料が提出され、農業経営体の減少や新規参入において、特に米、果樹の将来展望に懸念が示された。
農林水産省によると、基本計画の検討において、「農業者の急速な減少が最大の課題」と位置づけた。農業経営体の減少(2030年のすう勢)について、すう勢ベースでは、農業経営体は全体として大きく減少し、2020年の108万から2030年には54万経営体に半減する見込みであり、経営規模の拡大がない場合、2020年と比べて約3割の農地が利用されなくなるおそれがあると試算した。
農業経営体の減少の影響は品目によって異なるが、現在の主業・副業等別の作付面積のシェアは、米、果樹において準主業・副業的経営体の割合が高い。その準主業・副業的経営体の年齢構成をみると60歳以上が大宗を占めており、全ての品目で農業経営体が減少する中、特に米、果樹で今後大きな影響が見込まれると指摘した。
新規就農・新規参入の状況についても、新規就農者(新たに農業に従事することになった個人)の数は減少傾向。特に、高齢の稲作・果樹関係者が大宗を占める新規自営農業就農者(親元就農)が大きく減少している。一方で、土地・資金を独自調達した者は増加傾向にあり、年に複数回生産でき、面積当たりの付加価値が大きい野菜に集中。また、企業の新規参入の状況をみても、付加価値が大きい野菜が最も多いとし、「いずれにしても、これまでどおりのすう勢では新規就農・参入で既存の経営体の減少をカバーできない見通し」だと懸念した。
技術面に関しては、スマート農業技術の開発・普及促進において克服すべき課題として、▽スマート農業技術を導入してその効果を最大化するためには、畝間を広げる、樹形を変える、当該技術に合った品種に転換するなど、農業者自らが従来の生産方式そのものを積極的に見直す必要▽生産性の向上に不可欠なデータを活用した農業の普及がいまだ不十分▽スマート農業技術の開発に当たっては、開発難易度が高い分野も多く、開発に膨大な時間を要する▽中山間地域をはじめ、生産現場において労働力不足の課題を抱える中、農業者の労働力のみで生産水準を維持することは難しい▽専門作業の受注等を行うサービス事業は、立ち上げ時の負担が大きいことや、単一品目・作業の受託だけでは収益性が低いなど事業モデルが未成熟▽生産コストの面からも、農業機械において共同購入を通じた価格抑制が必要―などをあげた。









