土づくりに資するGAPの取り組み/土づくり関連機器特集

持続的な農業を実現するためには土づくりが欠かせないが、GAPは土づくりを「適正な農業管理の1つ」として生産工程管理の一環に加え、実践している取り組みであるといえよう。
昨年2月に一般財団法人日本GAP協会(木内博一理事長)が開催した2023年度GAPシンポジウム『実践ガイド生態学的土づくり』日本語版出版記念大会では、そうした土づくりの取り組みにスポットを当て、「グリーンな栽培体系と国際水準GAP」をテーマに発信を行った。
『実践ガイド生態学的土づくり』日本語版の書籍内容に関する講演をはじめ、GAPを通じて生態学的土づくりに取り組む事例や取り組みなど多様な事例報告や講演、総合討論などが行われ、「グリーンな栽培体系」の実現に向けて議論した。シンポジウムを通して、土壌の健全性を向上させることの重要性が示された内容であった。
さらに、日本GAP協会は10月22日、「GAPJapanアワード2024」の受賞者を発表した。これはGAPの普及を一層推進し、持続可能な農業の未来を切り拓く優れた取り組み事例を表彰する制度で、今年は次の4件が選出された。
▽会津よつば農業協同組合南郷トマト生産組合=「100年続く産地を目指して!産地まるごとGAP認証!」▽(株)サンプラザ=「大阪の地域スーパー発! GAP認証の訴求で顧客から支持!」▽(株)ホリ牧場=「震災にも負けず、JGAP認証を活かしたA2ミルク生産を実現!」▽(株)リンガーハット=「国産野菜100%から、JGAP認証農産物使用に向け、日本の農業を支援!」
受賞者の概要とポイントは次の通り。
会津よつば農業協同組合南郷トマト生産組合は、昭和37年からトマト栽培を始め、現在102戸の生産者が30ヘクタールでブランドトマト「南郷トマト」を生産。販売額は12億円を超え、Iターン就農者23戸を含む生産者が積極的に新規就農者を受け入れている。令和元年から、産地全体で品質管理を統一するためにGAPの団体認証を導入し、段階的に取り組んだ結果、全102戸の生産者が認証を取得。これにより、産地の持続可能性を高め、新規就農者の支援にもつなげている。(1)「100年続く産地」を目指すためにJGAP団体認証に取り組み(2)品質管理の統一のみならず、産地の長期持続のために不可欠な新しい経営者の参入と経営能力の向上に、GAP認証を「良い農業の教科書」として活用(3)6年間かけて段階的な取り組みを続け、令和6年に組合員全戸での認証を取得―の「100年続く産地」を目指す姿勢が評価され、選出された。
サンプラザは、南大阪を中心に36店舗を展開する地域スーパーで、2018年からGAP認証農産物の取り扱いを開始。現在では野菜に加え、豚肉、生乳、玉子などの取り扱いやJGAP認証食材を使用したお惣菜や冷凍商品の加工も進めている。さらに、グループ会社の植物工場でグローバルGAP認証を取得し、フリルレタスやバタビアレタスの栽培をしている。売り場ではPOPやポスターなどを活用し、GAP認証農産物の持続可能な価値を伝えているほか、温室効果ガス削減の見える化ラベルや大阪版カーボンフットプリントなどの取り組みも併せて訴求し、相乗効果を狙っている。(1)他社との差別化戦略としてGAPを活用し、持続可能な未来に向けた貢献と、顧客からの支持を両立(2)店舗で販売するGAP認証農産物の価値をPOP、チラシ、アプリなどで顧客に訴求(3)農林水産省の「温室効果ガス削減の見える化ラベル」、大阪版カーボンフットプリント「おおさかCO2CO2ポイント+、大阪脱炭素エキデン365」にも同時に取り組み―などの取り組みが競争の激しい市場で顧客からの支持を得ており、高く評価された。
石川県河北郡内灘町にあるホリ牧場は、搾乳牛360頭を飼育し、2024年1月にJGAP認証を取得。審査直前に発生した能登半島沖地震の影響を、JGAPの取り組みで早期に克服できた点が評価された。さらにJGAPまたは同等の認証を条件としている日本A2ミルク協会の認証を取得し、A2ミルクを生産。A2ミルクは、おなかがゴロゴロしにくい特性があり、市場から高い評価を得て北陸や大阪を中心に全国で販売されている。これらの(1)1月の能登半島沖地震にて、発災時の避難対応にJGAPが役立つ(2)JGAP認証が審査条件である日本A2ミルク協会のA2ミルク認証を取得(3)「JGAPの仕組みを活用して、酪農生産を高めること」を明確にしたことで、日頃の飼養管理活動が活発化―がポイントとなり、選出された。
リンガーハットは国内562店舗、海外8店舗で長崎ちゃんぽんを提供するチェーン店を運営。2009年に全量国産野菜に切り替え、年間1万7000トンもの野菜を使用しており、2017年からはより安全で持続可能な国産野菜の提供を目指し、主要野菜のキャベツからJGAP認証農産物の調達を開始。担当社員がJGAP指導員資格を取得して、契約農家でのGAP認証取得を推進した結果、2024年には仕入率50%に達し、他の野菜についてもGAP認証品の調達を増加。こうした(1)国産野菜100%の実現後、より安全・安心で持続可能な国産野菜の提供を目指してJGAP認証農産物の調達を推進し、2024年にはGAP認証キャベツの仕入率が50%を超える見込み(2)他の野菜についてもJGAP認証野菜の調達を着実に推進中(3)日本農業の再生、自給率の向上、安全・安心の提供が基本方針―が評価された。
表彰式と記念講演は11月27日に都内の有明セントラルタワーホールA及びWebで開催される「GAPJapan2024」にて行われる予定。









