三菱重工エンジン&ターボチャージャ・古川雄太氏/陸内協・技術フォラーム

三菱重工エンジン&ターボチャージャ(株)(MHIET)の「陸用内燃機関のCN燃料対応への取り組み」。三菱重工グループでは、生産活動におけるCO2排出量を2040年までに「NetZero」とすることを目標に、CO2排出削減活動に取り組んでいる。題して「MISSION NET ZERO」。政府が掲げた2050カーボンニュートラルを10年前倒しており、特にCO2削減に向けては、燃料転換をひとつのキー技術と位置付けている。
同社のCNに向けた取り組みとしては、ハイブリッド発電(再生可能エネルギーの有効活用)、カーボンニュートラル燃料(バイオディーゼル、水素、メタノール、アンモニアについて取り組み中)、CO2回収(エンジン排ガスからCO2を回収)の3つのレベルで対応しており、低炭素化から脱炭素化へシフトしている。
例えば、主に発電用のガスエンジンでは、水素混焼、水素専焼エンジンを、主に舶用のディーゼルエンジンでは、メタノールもしくはアンモニアエンジンを展開。
同社が作成したロードマップをみると、MHIETのCNに向けた取り組みの一環として進めている「トリプルハイブリッド発電システム」(再生可能エネルギー+蓄電池+エンジンを組み合わせて発電)で製品開発から実用化している他、バイオ燃料エンジン、水素混焼エンジン、水素専焼エンジン、アンモニアエンジン・メタノールエンジン、ガスエンジンCO2回収の技術開発を推進中。
このうち水素利用に関する取り組みでは、現行ガスエンジン(450kW/1200rpm)による水素混焼試験を東邦ガスとの共同研究で実施、出力450kWを維持し、水素混焼率35vol%/CO2削減約13%での試験運転の確認を進めており、商品化に向けて製品仕様を検討中。また、水素専焼エンジンについては、現行ガスエンジンをベースに燃焼室を新規設計して専焼に取り組んでいる。
フォーラムで講演した古川氏は、「水素の特徴と対応する水素専焼エンジンのコンセプト設計」について説明。水素の特徴として「漏れやすい」「着火しやすい」「燃焼速度が速い」などをあげ、それぞれの特徴に対応し、エンジン及び発電パッケージを専用設計。リーン化をはじめとして、単室式燃焼室、筒内圧による制御、ポートインジェクションについて紹介した。
水素はノッキングや過早着火などの異常燃焼を発生しやすいほか、異常燃焼を防止するため、低圧縮比、点火タイミング遅角側での運転が必要となるなどと指摘した。
古川氏は今後の取り組みとして、技術確立に向けて各種取り組みを実施するとし、特にバックファイア、過早着火など、異常燃焼の現象理解を深め、さらなる高効率化、高出力化を目指す。









