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令和6年11月4日発行 第3527号 掲載

最新技術統合導入で生産性向上/植物工場研究会が勉強会

 特定非営利活動法人植物工場研究会は10月29日、第162回特別勉強会「普及拡大に向け『今』求められる次世代環境制御~世界的な技術動向と研究開発課題~」を千葉大学環境健康フィールド科学センターで開催した(Web併催)。
 当日は、同研究会会長・古在豊樹氏による特別講演「人工光型植物工場の次世代環境制御~施設園芸での活用を見据えて~」、同研究会理事長・林絵理氏による講演「世界における植物工場企業および研究機関の最新技術・事業動向」とディスカッション(質疑応答)、団体会員の事業紹介が行われた。
 特別講演の中で古在氏は、地球規模的かつ地域的な4すくみ課題として「食料、農業」「環境、生態系」「社会、経済、生活」「非生物系資源の不足と偏在」をあげ、これらの課題を同時並行で解決する食料生産システムの1つが植物工場であると考えていると説明。そして「植物工場は、まだ始まったばかり。技術が発展するのはこれからだ。現状だけをみて、植物工場なんて役に立たないと判断するのではなく、長い目でみて考えなければいけない」と強調した。
 続いて次世代植物工場に必要な革新技術として、▽環境制御▽スピード育種と関連技術▽栽培装置イノベーション▽植物工場シミュレーターによる人材育成▽自律型植物工場―の5点をあげた。このうちスピード育種については、既に海外で、これまでの数倍のスピードで育種が進んでおり、大きな流れになってきているとした。栽培装置については、いまだ40年前の装置から脱却できていないと指摘。イノベーションを起こし、根本的に変えていく必要があると訴えた。
 植物工場では、環境制御技術、育種技術、表現型(葉面積、形状、化学成分、光合成速度など)計測技術、管理(マネジメント)が、それぞれ相互作用することで生産を行っている。そのため、これら全てを理解し、全体を統合して考えられる人材が必要だとし、植物工場シミュレーターの開発や利用が、今後の発展に非常に重要だと述べた。また、生物技術にどう無機物技術を採り入れていくかが課題であるとし、最近はゲーム業界やCG業界などの他業種が植物工場に関心を持ち始めており、彼らの技術がその解決につながるのではないかと期待を寄せた。
 最後に、植物工場の生産性は、次世代環境制御により現状の2~3倍向上、加えて育種、栽培装置イノベーション、最新技術の統合的導入を図れば約10倍向上し得る―と述べ、今後、大きく発展する可能性を示した。
 続いて林氏が、国内外の植物工場の現状を解説。海外では植物工場の倒産が目立つ一方、日本では10年以上運営を続けている工場が多くみられるとし、「栽培管理も含め、あらゆるバランスをもった運営ができていることが、その要因ではないか」と述べた。
 また、いかに環境負荷の少ない形で栽培するかが今後の課題であるとし、養液の研究や自然エネルギーの利用率向上などに取り組んでいく必要性を強調した。

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