ユーザールポ・蕎麦用自家製粉システムを導入/丸七製作所

関東の蕎麦どころといわれる栃木県鹿沼市。鹿沼市上南摩(かみなんま)地区は、建設中の南摩ダムへの賛否を巡り、長年住民の意見が分かれてきた。ダム建設が進む中、同地区は特産品の蕎麦を看板に、新たな街づくりを目指している。今年4月にオープンした「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」内に開業した「上南摩そば 竜がい」は、「幻」と呼ばれるほど美味しい地元産の玄蕎麦を自家製粉し、こだわりの二八そばを提供している。同店の製粉を一手に担っているのが、(株)丸七製作所(阿部信一社長・本社=東京都足立区)の製粉機そば職人と、蕎麦磨き精選機そばピカりんをはじめとする蕎麦用自家製粉システムだ。店舗を運営する「上南摩そばネットワーク」の皆さんに、同システムの魅力を聞いた。鹿沼市上南摩地区は中央を南摩川が流れ、繊維などに使う産業用麻の生産地で、蕎麦は麻を収穫した後作として作られてきた。清らかな水流と、水はけのいい土壌など蕎麦の栽培に適しているという。使っている種は希少性の高い在来種。近距離しか飛ばないミツバチで交配しているため、独自の味を保ってきた。また山間地による昼夜の寒暖差が、特有の香りと深い味を生んでいる。住民にとって蕎麦は、ふるさとを代表する食べ物として親しまれてきた。しかし地区内には蕎麦料理を常時提供する飲食店が少なく、各家庭で味わうほか、イベントで振る舞う程度だったため、外部の人にとっては「幻」の存在だった。今年4月に鹿沼市上南摩町に「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」がオープン。施設内には、自慢の蕎麦を活かして高齢化の進む地区の振興を図ろうと、地元住民18人が企業組合「上南摩そばネットワーク」を作り、「上南摩そば 竜がい」を開業した。地区産の蕎麦を施設内で製粉し、地元住民が店舗内で打って提供している。店名は施設北側にそびえる地区のシンボルである、竜蓋山(りゅうがいさん)から取った。「上南摩そば 竜がい」の店主であり、同ネットワークの代表理事でもある駒場俊雄さんは「もともと蕎麦を栽培していた農家を中心に13年前から地域を盛り上げるために上南摩そば祭りで蕎麦を振る舞ってきた。いずれはお店を出して、上南摩の蕎麦を広めていきたいという目的で集まり、今回開業するにあたり上南摩そばネットワークを作った」と語った。蕎麦打ち担当の津吹(つぶく)重雄さんは「以前から栽培、製粉、そば打ち、販売まで一連の工程を自分たちでやりたかった。それができるのがそば祭りだったが、今回開業したことで実現できた」と喜んでいる。同店の製粉作業を一手に担うのは、丸七製作所の蕎麦用自家製粉システムだ。システムの内容と特徴は以下の通り。▽MSP3S 蕎麦用製粉機そば粉職人=玄蕎麦を低圧力で製粉することで熱の発生を抑え、香り高い高品質の蕎麦粉を生産。繊細で複雑な一連の製粉作業を簡単かつ効率よく行うことができる。▽MGS2 蕎麦磨き精選機そばピカりん=玄蕎麦表面の汚れを磨いて落とし、さらに石や土塊などの夾雑物もきれいに除去。磨き機、石抜機、セレクターが一体となったオールインワンタイプ。▽D―BOX 集塵ボックス=磨き作業中に排出される塵埃や目に見えないような粉塵を集塵し、ボックス内に集積・密封。屋内での製粉環境をキレイに保つことができる。製粉を担当する生産部の広田政之さんは、蕎麦の栽培もしている。「まだオープンして半年、今も毎回緊張して作業をしているが、これまで順調に作業ができている。全自動なので使いやすい。湿度や温度などで粉の仕上がりが変わってくるため、挽きの粗さや、蕎麦の香りに必要な甘皮の調整などを勉強中」と、全自動で細かな調整が可能な同システムで、理想の蕎麦粉作りを目指す。同店では、1週間に玄蕎麦4袋(1袋=22・5キロ×4=90キロ)を製粉。「蕎麦打ち担当の津吹さんから蕎麦粉に対するリクエストに応えるため、現在も試行錯誤しながら作業を行っている」と、広田さんは語る。5名の製粉担当者が週替わりで作業している体制のため、誰でも一定の品質で製粉できる同システムは大いに役立っている。津吹さんは「しっとりした蕎麦粉は打ちやすい。また、製粉時に熱が加わると香りが飛んでしまう。玄蕎麦を低圧力で製粉し熱の発生を抑えるそば粉職人は、効率的に理想の蕎麦粉ができる」と、同システムに満足している。また、集塵ボックス「D―BOX」が、作業場の環境保全に大いに役立っている。同機は、ボックス内に塵埃を集積するだけでなく、一定量の塵埃がたまるとシグナルランプが点灯して塵埃の捨て時を知らせるため、ボックス内が塵埃であふれることはない。広田さんは「狭い作業場なので、D―BOXがなければ粉だらけになってしまう。作業場の環境をキレイに保つためには欠かせない」と語る。









