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令和6年10月28日発行 第3526号 掲載

秋田県農業試験場の雑草防除の取り組み/秋田県農機ショー特集

 秋田県農業試験場の作物部作物栽培チームの平谷朋倫研究員と飯塚悠莉子研究員に水稲と畑作の雑草防除についての取り組みを取材した。
 水稲の雑草防除では、高密度播種苗栽培における除草剤の使用方法や使用時期について研究をしている。高密度播種苗栽培の場合、既存の苗と比較すると軟弱な傾向にあり、除草剤による生育抑制の影響を受けやすい。昨年は、高密度播種苗でも老化苗と呼ばれる移植適期を過ぎた苗を移植した場合どうなるか試験した結果、除草剤の影響を受けやすく、水稲の生育が抑制され、収量も減少した。今年も高密度播種苗における除草剤の使い方を引き続き検討している。
 また、近年はドローンで除草剤を散布する生産者も見受けられるが、ドローンはバッテリーの持続時間が課題。積載量が多くなるとバッテリーの消費も早まるため、少量拡散型粒剤等を用い、積載量を減らすなど効果的に使用する必要がある。秋田県農作物病害虫・雑草防除基準にも少量拡散型粒剤の採用を検討していきたい考えだ。
 次に、水稲でのICT活用においては、水管理システムを使った農研機構を主体とした共同研究に参画しており、大潟村にてクボタのWATARASを設置し、有機農業に絡めた活用方法を検証している。深水管理をすることで、ノビエの発生を抑制する効果があるかを調べている。水稲の有機栽培では、雑草防除が一番の課題であり、実践している生産者は、機械を用いた除草や、短期的に雇用して人手をかけた手取り除草を行うなど、様々な工夫を凝らし、雑草防除を行っている。平谷氏は「課題の一層の解決に向け、現場での技術と研究開発された技術をうまく組み合わせることが重要だ」と述べる。
 続いて、サキホコレを栽培する際の農薬の使用成分回数について。サキホコレを栽培する場合は農薬の使用成分回数を10成分回数以内にすることになっている。「除草剤の有効成分は3成分のものが多く、4成分のものもある。除草剤の散布適期を逃したり、誤った使用をしたりすると残草の原因となり、追加で除草剤を散布する必要が出てくる。除草剤を適期に散布し、最大の効果を得られるようにしてほしい」と飯塚氏は話す。
 畑作での雑草防除における特徴は、「大豆においては、水稲と違い、除草剤だけでなく、中耕培土による雑草の抑制も重要である。雑草が発生したら早めに中耕培土を行い、雑草を埋没されることが重要である」と平谷氏は言う。
 今後の展望について。飯塚氏は、気候変動により、雑草の葉齢の進展が以前より早くなっていると言う。生産者は年間の作業スケジュールがある程度決まっているはずだが、昔と同じようなスケジュール感で除草剤を散布すると、すでに雑草が枯殺限界葉齢を超えている可能性がある。「雑草の種類と葉齢をよく確認して、除草剤を選択し、適期に散布をしていかなければならない」と述べている。平谷氏は「近年は、気候変動により、大豆の生育への悩みだけでなく、雑草防除、特に物理的防除のタイミングも悩ましい状況となっている。様々なケースを想定し、大豆の生育を妨げない雑草防除について、生産者の方々の実情に合わせた手法を考えていきたい」と述べている。
 最後に生産者に対してのメッセージを聞いた。平谷氏は「令和5年は夏場の著しい高温と少雨などから大豆が大不作となり、生産者の方々は大きなショックを受けられたかと思う。大豆が安定的に良作となるよう雑草防除についても様々な対策を練り、皆さんと議論していきたい」と話す。飯塚氏は「フロアブル剤やジャンボ剤、省力化製剤は田に水がしっかり入っていないと拡散しない。また、田植え同時処理をし、田植え後に水を入れていない生産者も見受けられるが、その日のうちに静かに水を入れる必要がある。水管理を見直す必要があることを認識しておいていただきたい。また、県内では近年イボクサの発生が増えており、相談も増えてきている。秋田農試では、イボクサに対する成果を発信している。是非、参考にしていただきたい」と話す。

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