サキホコレの取り組み・秋田県農業試験場作物部/秋田県農機ショー特集

サキホコレの栽培について秋田県農業試験場作物部の松本眞一部長より、今年度の取り組みや今後の動きなどについて、話を聞いた。
昨年に引き続き、令和7年度からの特別栽培のスタンダード化に対応すべく、有機質肥料、鶏糞堆肥などを使った試験を行い、今年度、栽培の手引きを特別栽培に対応した内容に拡充するため、データの蓄積を行っている。松本部長は「特栽の場合、化学肥料の窒素成分が10アール当たり4キロ以下と定められている。地力の低い圃場だと窒素成分が足りない場合もあるため、有機質肥料や堆肥を施用している」と話す。そのため、有機成分の配合を工夫するなどいくつかの組み合わせで試験を行ってきた。有機質肥料や堆肥を使うと、有機物が圃場に蓄積するため、連用してその経過を確認している。
栽培の手引きでは、主に土づくり、基肥の部分と事例集の拡充を、合わせて予定している。今年度の試験結果については試験成績検討会を経て、追って情報を反映させていく。
今年度のサキホコレの栽培面積は1647ヘクタールとなり、前年度の1302ヘクタールから約350ヘクタール増加。
昨年度、あきたこまちの1等米比率が53・4%と非常に低かったのに対し、サキホコレは93・4%と高い結果だった。松本部長は「サキホコレの高温登熟性は『やや強』という品種の特性や、栽培に当たっての土づくり肥料、栽植密度の確保など、生産者の管理も良く、品質が確保できたのではないか」と見解を述べた。今年度、県内稲作は倒伏した圃場が目立ったが、サキホコレについては倒伏が少なかったという生産者からの声も聞かれた。出荷基準にタンパク質含有率も定められていることから、追肥を加減し、食味重視で栽培が行われた結果、倒伏が少なかったものと思われる。
また、今後の品種育成においては、一般粳米、特定需要米(糯米、酒米)や新形質米を対象とし、多様な市場ニーズに対応する品種育成を目指していく。これまでの耐冷性や耐病性の強化に加え、登熟期の高温に強い他県育成品種との交配も始めるなど、総合的な判断として高温登熟性も意識した品種改良を進めていくことにしている。









