水田フル活用し戦略的生産/秋田県農機ショー特集

「あきたこまち」をはじめとしたブランド米の産地として名高い秋田県。今年の秋田農業は、7月下旬の大雨により由利本荘市などを中心に大きな打撃を受け、県内の農林水産被害は185億8476万円にのぼった(8月30日現在)。一方で、大雨被害を受けた地域以外の米の生育は概ね良好であり、農林水産省によると、9月25日現在における秋田県の6年産米の作況は102の「やや良」となっている。「米どころ秋田」の農業はどのような状況にあり、また、県はどのような方向で農業支援をしているのだろうか。昨今の県農業の概要と農政の取り組みについてみる。
農林水産省がまとめた秋田県農業の概要をみると、令和2年度の県内総生産(名目)に占める農林水産業の割合は3・0%と低いものの、5年の耕地面積14万6000ヘクタールに占める水田12万8100ヘクタールの割合は88%(全国54%)。4年の農業産出額1670億円に占める米の割合は852億円で51%(全国15%)と、他県に比べて米の割合が高いのが特徴。県の農業産出額は米に次いで畜産378億円(全体の22・6%)、野菜295億円(同17・7%)などとなり、米の産出額は全国3位を誇る。米は主力品種の「あきたこまち」が作付面積の7割を占め、デビューから3年目を迎えた「サキホコレ」の栽培面積も増えてきている。
また、近年はエダマメやネギなどの野菜作や畜産なども拡大。大豆(全国3位)やエダマメ(同6位)、ネギ(同8位)、生シイタケ(同4位)なども全国有数の産地となっており、これは県の支援で園芸メガ団地・大規模畜産団地の整備やエダマメ・ネギ・シイタケ等の日本一を目指した産地づくりが進んだ成果といえる。果樹・花きのオリジナル品種の育成も盛んだ。
県農政をみると、基本計画「新ふるさと秋田農林水産ビジョン」(4~7年度)を4年3月に策定し同ビジョンに沿った施策を展開。農業では、経営力の高い担い手が持続的・効率的な生産体制により、広大な農地をフルに活用して食料供給を担っていく農業の実現を目指している。同ビジョン3年目の6年度は重点推進事項「農業の食料供給力の強化」で、(1)経営力の高い担い手と新規就農者の確保・育成(2)持続可能で効率的な生産体制づくり(3)マーケットに対応した複合型生産構造への転換(4)戦略的な生産と水田のフル活用の推進(5)農産物のブランド化と流通・販売体制の整備―を進めている。
県によると、秋田米の強みは、▽米の産出額全国第3位のシェア▽生産費(60キロ当たり)の低さ全国第3位▽高い単収と高い価格競争力▽生産基盤の整備が全国トップクラス▽「あきたこまち」を中心としたブランド力―など。県はこうした強みを活かしつつ、水田農業が持続的に発展していくため、4年に「第2期秋田米生産・販売戦略」(4~7年度)を策定。同戦略では▽新たに拡大が見込まれるマーケットの対応▽旗艦品種「サキホコレ」が牽引する秋田米のブランド力向上▽次世代につなぐ低コスト生産・流通体制の確立▽秋田米の高付加価値化と需要創出―を基本方針に据えている。









