各社の対応/山口県特集

(株)中四国クボタ(江草徹社長)の山口営業部は、県下を取り巻く著しい離農の動きの中、1~8月の販売について前年同時期と比べると、トラクタは微減、コンバインおよび田植機は横ばいで推移した(台数・金額ベース)。
営業部長の道源徳美氏は「農機の更新は様々な要因が絡み合い、足踏み状態といったところ。しかしコンバインは故障して修理すると高額になるため、思い切って更新しようという動きがトラクタと田植機に比べてあるように思う」と話す。
トラクタは10月に発売する新製品「TERAST(テラスト)」の25馬力が受注件数を伸ばしており、手応えがあるという。新製品以外では「JB18X SP(18馬力)」、「NB21SP(21馬力)」が一般農家に人気がある。田植機は「PASWEL(4条植え)」、「ASWEL(同)」が人気の機種で主流となっている。大規模担い手には6、8条植えがボリュームゾーンとなる。
コンバインは「KALWAY(2条刈)」の217、220、323が主流。全農が供給する共同購入コンバインの対抗機種としては「ER448N Limited(4条刈・48馬力)」をあげる。同機はがんばろう!日本農業応援機!をコンセプトに、価格を抑えつつ高出力エンジンで高い能率を誇る。また自動脱こく制御により、ワラくずやロスの少ない綺麗な選別を行う。
スマート農業関連では、今年8月、嘉川営業所(山口市)にRTK固定基地局を設置した。その結果、後付け自動操舵システムをトラクタや田植機に取り付けた実演依頼が増え、この実演が好評を博している。基地局の設置は今後も増やす方向で検討している。
営業面については「売上げはもちろん粗利の向上を意識して注力している。特に整備・修理に重点を置くこと。これは新規獲得にもつながるが、整備・修理の徹底という切り口から新たなお客様を囲んでいくというイメージで、しっかり取り組みたい」と道源部長は力を込める。
ヤンマーアグリジャパン(株)中四国支社(上原茂樹支社長)山口事務所の管内は、離農が進む中、農地の集積は一定の動きで進んでいる。このような状況下で、離農する農家から小型農機(トラ・コン・田)を中心とした買い取りを要望するケースが年々増えつつあるという。また昨今は農機1台を10年以上にわたって使うケースが多いため、点検・修理の仕事量は増加傾向にある。
県を統括する山口事務所の阿部薫エリアマネージャーは「市場は引き続き厳しい状況にある。一方、4~8月までのトラ・コン・田の販売実績は、昨年同時期と比べて横ばいで推移した(台数ベース)」と話す。
米価上昇の機運も高まり、これを追い風とみる一部の大規模農家による実演依頼が例年に比べて増加している。阿部マネージャーは「米の流通も戻っており、今年の米価上昇は一過性のものと推察する。一方、米価上昇は農家の収入に多少なりとも影響すると思う。収入増となった分を来期の計画で農機に投資するという話も聞く」と話す。
トラ・コン・田の荷動きの他には、管理機も安定的な動きをみせる。管理機はいわゆるホビー農家層に引き続き人気がある。山口事務所前に管理機を展示している効果もあり、都市部のホビー農家の取引につながっている。
スマート農業関連ではジョンディアの自動操舵システムも台数を伸ばしている。これはトラクタ「YT1、2」シリーズの直進アシスト仕様とともに、畦づくりにこだわる一部のタマネギおよびキャベツの生産者から「直進の精度が高い」と好評を博していることにもよる。
今後の動きについて阿部マネージャーは「開催自体が目的のイベントでなく、お客様の負担とならずかつお客様の要望を的確に捉えた、地域密着のものを各拠点単位で開催していきたい」と力を込める。
三菱農機販売(株)西日本支社(長島史治支社長)の西中国支店(都田力也支店長)はこれまで、農業の経営継続を支援する「山口市がんばる農業者支援事業」を事業対象者(個人・法人農家)が活発に利用し、その結果、ハンマーナイフモアを中心とする草刈り関連製品の受注を多く受けるなどの動きがあった。
同社の担当地域では特に岩国市で離農が進み、営業面での苦戦が続く。一方で、新規就農者の獲得・維持のために、山口県は各種の補助金制度を設けている。そのため新規就農者は少しずつ増える傾向にあるという。新規とは、祖父母から水田を受け継ぐ事例と、一から農業を始める事例があり、後者はハウス内でのイチゴ生産や畑作が多いようだ。
そうした状況下で今年4~9月の3機種の荷動きを前年同時期と比べると、台数ベースでトラクタは微増、田植機は微減、コンバインは増となった。県下の農地集積に合わせる流れで、トラクタは30~35馬力の「GAシリーズ」が好調な荷動きをみせた。
コストダウンの観点から田植機は「LE50(5条植え)、60(6条植え)」のディーゼルタイプに人気が集まった。また、田植えのシーズンに各営業所で大規模法人向けに実演を繰り返したことが奏功し、新製品「XPS(クロスピーエス)6」の問い合わせや受注が増え、同品の拡販に手応えを感じている。除草剤の価格も上がる中、紙マルチ田植機の実演依頼も増えている。
3機種以外では三菱ディスクハロー「KUSANAGI」も堅調な荷動きをみせる。同社ホームページ経由の実演依頼が多く、「今日も防府市内の農家から実演依頼があった」と都田支店長は話す。
今後の動きとしては12~1月に各営業所で展示会を開催する予定。18~25馬力トラクタ「GSシリーズ」のフルモデルチェンジトラクタ「XS(クロスエス)」が来る11月に発売予定のため、XSを軸とした農機の拡販活動に注力していく。









