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令和6年10月21日発行 第3525号 掲載

施業の効率化進める/令和5年度の国有林野事業

 農林水産省が9月末にまとめた、令和5年度の「国有林野の管理経営に関する基本計画の実施状況」。トピックスとして(1)新たな「国有林野管理経営に関する基本計画」の策定(2)令和6年能登半島地震への対応(3)立木販売結果の公表を取り上げている。今回の基本計画の実施状況では、事例として各森林管理局が進めた31の取り組み内容の紹介と併せ、ホームページへの9つの掲載事例も取り上げ、国有林で進めている現在の事業の概要をアピールしている。
 国有林野は国土の約2割、森林の約3割を占める。その多くが奥地の急峻な山脈や水源地域に広く分布しており、良質な水の供給、土砂災害の防止・軽減をはじめ、様々な公益的な機能を発揮している。
 国有林野を巡るデータをまとめてみると、全国に7つの森林管理局を配し、流域(森林計画区)を単位として98の森林管理署を設置。国土の約2割といわれる国有林野は、面積にして758万ヘクタール、森林面積は2502万ヘクタールのうち30%で、人工林に限ると1009万ヘクタールのうち22%に当たる。
 また、国有林は多様な自然や世界自然遺産とも深く関わっている。国有林野の91%が保安林に指定されている他、13%は保護林、29%が自然公園など、原生的な天然林が広く分布、野生生物の生育・生息地として重要な森林が多いのが特徴だ。
 世界自然遺産(陸域)に国有林野が占める割合は、令和5年度末現在で知床94%、白神山地100%、小笠原諸島81%、屋久島95%、奄美・沖縄68%となっている。
 このため、昨年12月22日に策定された新たな計画では、(1)公益重視の管理経営の一層の推進(2)森林・林業施策全体の推進への貢献(3)国民の森林(もり)としての管理経営、地域振興への寄与等を柱として打ち出しており、実現に向けて各種の取り組みを展開。特に公益重視の管理経営の一層の推進とともに、「新しい林業」の実現に向けた技術開発・普及や組織・技術力・資源を活用した森林・林業施策全体の推進を図っているのも最近のトレンドだ。
 中でも林業の成長産業化に向けた技術開発・実証と普及に関しては、「国有林の組織・技術力・資源を活用し、民有林への普及を念頭に置いた技術開発や林業事業体の育成に取り組む」との姿勢で臨んでおり、▽民有林への普及を念頭に置いた林業の低コスト化等に向けた技術開発を産学官連携の下で実施▽事業での実用化を図りつつ、現地検討会の開催等による民有林における普及・定着を推進―を実践。
 具体的には、「特定苗木を用いた再造林による成長の旺盛な若い森林の造成」(天竜森林管理署)、「集約化試験団地における造林事業の省力化・低コスト化に資する取組」(四国森林管理局)、「ICT技術と新たな地拵え機械の導入による施業の効率化」(石狩森林管理署内)などの取り組みが進められており、作業時間の大幅な短縮や、翌年度の下刈りの省略、シカ食害の防止など様々な成果が表れている。
 石狩森林管理署管内で進められている施業の効率化では、国内の林業ではあまり事例のないコンパクトトラックローダや「衛生コンステレーション」による通信サービスなどを導入、造林作業全体の効率化・省力化を図ることができたという。

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