IT・メカトロニクス部会セミナー開催/農業食料工学会

一般社団法人農業食料工学会(飯田訓久会長)IT・メカトロニクス部会(帖佐直部会長)は7日、「IT・メカトロニクス部会セミナー」をWeb開催した。「農業食料工学分野における海外での活動を学ぶ」と題して、田中正浩氏(農研機構農業機械研究部門)による「ISO13482のサービスロボットの安全に関する国際動向」、梅田大樹氏(日本大学)による「オランダ農学研究の魅力」、安永円理子氏(東京農工大学)による「ベトナム農業の現状と課題」―の3講演及び総合討論が行われた。
田中氏は、ISO13482について、生活支援ロボットの安全要求事項を規定する国際規格であり、対象の1つに身体アシストロボットであるアシストスーツも含まれると説明。同規格は2014年に発行され、今年改訂が行われたが、その際に日本は、身体アシストロボットを含む3つの特定機種ごとに安全要求事項を規定した「JIS B 8446」を提案した。ISOやJISが対象とするアシストスーツはパワーアシストスーツと呼ばれるアクティブタイプが主であり、体に装着して持ち上げ・運搬の動作や姿勢を補助するもの。安全要求事項では人間の力を超えないことが重要とし、危険なアシストからの保護や、人間の力で戻せるバックドライバビリティなどパワーアシストスーツ特有のリスク評価などを定めていると紹介した。
一方、梅田氏は自身のオランダ・ワーヘニンゲン大学における農学研究滞在の経験と、オランダ農業について紹介。オランダは人口1800万人弱、国土面積は4・2万ヘクタール弱と小規模ながら農産物・食品輸出額が1441億ドル(2023年)を誇る農業大国であり、特にトマトの平均収量は10アール当たり50トン超と高収量を実現。梅田氏は日本とオランダの農業の違いとして、オランダ独自のEER―triptychと呼ばれる農業教育・普及・研究が連携した研究開発システムを示し、これにより、(1)トマト・キュウリ・パプリカへの品目の選択と集中(2)高生産性・コスト低減を目指す技術開発目的の明確化(3)農家の企業化に向けた支援を行う技術開発政策―を推進して施設園芸を発展させたと説明。オランダ研究滞在を経て、自身の研究の立ち位置を再確認したと述べ、日本は同国の模倣をする必要はないとしつつも、今後の日本農業研究の選択と集中の重要性を強調した。









