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令和6年10月21日発行 第3525号 掲載

国際貢献する農学をテーマにシンポジウム開催/日本農学会

 日本農学会(大杉立会長)は5日、都内の東京大学弥生講堂及びWebにて、2024年度シンポジウム「国際貢献する日本の農学」を開催した。
 開会挨拶した大杉会長は、「ロシアのウクライナ侵攻で顕在化したように国際的なサプライチェーンが脆弱化している中、日本の食料自給率はカロリーベースで37%と低く、国際的な協調が安全保障面でも極めて重要だ。こうした中で日本の農学研究者が国際的に貢献していくことが強く求められている。今回は国際的な貢献に関する情報や成果を共有していただき今後の農学が目指す具体的な貢献について議論したい」などと語った。
 続いて講演に移り、▽イネの分子育種を用いた食料問題緩和へのチャレンジ(名古屋大学生物機能開発利用研究センター・芦苅基行氏)▽サブサハラアフリカの食料危機に立ち向かう作物科学(国際農林水産業研究センター生産環境・畜産領域・辻本泰弘氏)▽脱炭素世界での糖獲得戦略―世界と協調して糖を利用していくためには―(東京大学大学院農学生命科学研究科・五十嵐圭日子氏)▽モンゴル遊牧民伝承に基づく家畜の健康維持と荒廃草原の回復(東京大学大学院農学生命科学研究科・浅見忠男氏)▽農地における温室効果ガスの発生量推定と発生削減技術(農研機構農業環境研究部門・秋山博子氏)―などの8講演及び総合討論が行われた。
 そのうち芦苅氏は、東南アジアなど長期降雨による洪水が定期的に発生する地域に適応した稲として、浮イネを紹介。これは水位の上昇とともに茎を伸長させて、葉先を水面から出すことで酸素を摂取して生育できるもので、浮稲の冠水依存的な茎伸長を制御する遺伝子を同定できれば、これらの遺伝子を用いて一般的な水稲を浮イネに改良できるなどと語った。
 また、秋山氏は農地におけるGHG発生量について、世界の人為的なGHG発生量のうちメタン(CH4)の1割が水田由来、一酸化二窒素(N2O)の約半分が農業由来だと説明。水田から発生するメタン排出量を削減する方法として中干し期間の延長や稲わらの秋の鋤き込みをあげ、中干し期間を地域の慣行より約1週間延長するとメタン発生量を平均3割程度、稲わらを秋に鋤き込むと同5割程度削減できることなどを解説した。

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