クボタ・飯田氏が特別講演/農業WEEKセミナー

「第14回農業WEEK」が9~11の3日間、千葉県の幕張メッセで開催された。9日に実施された飯田聡氏((株)クボタ特別技術顧問工学博士)による特別講演「クボタのスマート農業の現状と将来展望」の概要をみる。
飯田氏は「農業WEEKで講演を行うのは9年目になる」ことから、「前回からの違いに注目してほしい」と語った。まずクボタの概要について、2023年度の連結売上高が3兆207億円と過去最高額に達し、そのうち海外売上比率が約79%を占めるグローバルカンパニーであり、農機分野では世界2位を争うと説明。日本農業については農業者の高齢化・人口減により食料の安定供給と農村の維持が大きな課題になっており、この課題解決がクボタがスマート農業に取り組む1つの要因であると語った。
そのうえで同社が進めるスマート農業の取り組みとして、▽データ活用による精密農業(KSAS)▽農機の自動・無人化による超省力農業の実現▽カーボンニュートラル(CN)の対応を紹介。そのうちKSASでは、クボタ営農支援システムKSASを中心としたデータ駆動型の稲・麦・大豆作のスマート農業一貫体系を構築し、儲かるPDCA型農業を実現してきたと説明。具体的なスマート農機として食味収量コンバインに触れ、これによりバラつきをデータ収集・見える化できることから、圃場ごとにきめ細かく翌年の施肥計画や改善対策を立てることが可能となり、各地の実証圃場では生育ムラが修正され、1~3割の増収効果がみられたとした。
KSASはさらに乾燥システムやドローン、水管理システムなど他の農機とも連動。仕分け乾燥や防除などにもデータが活用でき、営農戦略に役立てられるとし、今年10周年を迎えたKSASの加入者は約3万人、うち営農コース会員は1万人強になったなどと述べ、今後もさらに推進していく旨を強調した。
また、飯田氏は今後の課題と市場戦略として(1)スマート農業一貫体系の拡大と技術進化(2)KSASの更なる進化(3)▽環境重視の持続可能な農業システム構築(4)スマート農業の普及促進‥新たな農業支援サービスの創出―を提示。(1)は水稲から畑作・野菜作・果樹作への展開とレベル3無人農機開発、機種拡大、対応作業機の拡大など、(2)はスーパーユーザーフレンドリー及び提案型のシステムへの進化など、(3)は環境保全型スマート農業一貫体系の構築などをあげ、(4)地域コミュニティに根差したスマート農業を推進するべく関係機関と連携し新しい価値創出と農村活性化を進めていきたいなどと述べた。
最後にまとめとしてKSASやロボット農機の進化、センシング・データ解析力向上を進めて、無人農作業を可能とする未来農業システムの実現を目指すなどとスマート農業の方向性を示した。









