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令和6年10月14日発行 第3524号 掲載

造林の機械化対応/林業・環境機械展示会特集

 林業機械開発で現在力が注がれているのが自動化・遠隔操作化技術であり、また、これから機械化を展開していく上で最重点で取り組まなければならないのが素材生産に比べて遅れている造林へのシフトだ。林野庁では先にまとめた令和7年度林野関係予算概算要求で、林業機械の開発・実証を進める林業デジタル・イノベーション総合対策のうち「戦略的技術開発・実証事業」を拡充、特に素材生産分野と造林分野における林業機械の開発・実証が重点項目となっているが、主眼である自動化・遠隔操作化や造林の機械化対応の推進に向けて動き始めている。現状をフォローした。
 これからの林業機械化を展望していく上で重要な取り組みが進められている。今年の大きな展開、出来事の1つになるだろう。1つは、林業機械メーカー、導入する林業事業体・従事者、研究者、安全に関する有識者からなる「林業機械の自動運転・遠隔操作に関する安全対策検討会」(座長=陣川雅樹・森林総研主任研究員)の設置だ。林野庁が今年の7月に立ち上げた。
 いま1つが林野庁造林間伐対策室(天田慎一室長)が、造林費用の低減と確実な成林を図ることを目的に「省力・低コスト造林に係る技術指針(案)」を作成したことだ。前者はガイドライン、後者は技術指針の作成と目指すゴールは若干異なるが、これからの機械開発のあり方、方向性、そして再造林の推進に向けた機械化の進め方などに大きな影響をもたらす取り組みといえよう。
 「林業機械の自動運転・遠隔操作に関する安全対策検討会」は、特に林業の安全性と生産性向上を実現していく上での使用上の条件、自動運転・遠隔操作に関する安全対策、そして関係者の役割などを定めたガイドラインの作成を目指す。
 林野庁では、令和元年度当時から林業機械の自動運転・遠隔操作に関する技術開発について推進してきた。昨年の茨城県ひたちなか市での「2023森林・林業・環境機械展示実演会」では、国の事業で開発中の遠隔操作の下刈機をはじめ、無人で走行するフォワーダ、AI搭載の架線集材システム、ラジコン式の伐倒作業車などが展示、実演されたのは記憶に新しい。安全面と効率性の両面から期待される林業機械といえる。
 この先こうした林業機械の自動運転・遠隔操作に関する安全対策を示す。今年度中に4回程度の会合を開いて、ガイドラインとして取りまとめていく。
 一方の「省力・低コスト造林に係る技術指針(案)」。林野庁として造林関連分野の技術、機械化対応を取りまとめようと、初めて取り組んだものだ。技術指針(案)は、再造林費用の現状や基本的な考え方、目的などを示した、第1趣旨に始まり、第2本指針の対象範囲、第3用語の定義、第4通常の造林技術、第5具体的な省力・低コスト化技術、第6標準的な組み合わせ、第7その他とで構成されている。
 特に第5の具定的な省力・低コスト化技術として、(1)機械による地拵え(2)機械による苗木運搬(3)コンテナ苗の植栽(4)伐採と造林の一貫作業(5)低密度植栽(6)下刈り回数の削減(7)下刈り面積の削減(8)附帯施設の8つを取り上げ、各技術ごとに解説し、指針(案)としての方向性を示しているのがポイントといえよう。
 林野庁では今回まとめた技術指針(案)の質・内容をさらに良くするため、全国5カ所で開催する「省力低コスト造林技術の普及に向けたシンポジウム」で寄せられた意見、要請を採り入れながら修正する。年度内に指針として取りまとめられるよう対応を進めている。
 同技術指針(案)の説明を行うシンポジウムは、既に3カ所が終了、この後、11月21、22日の宮崎、来年1月開催予定の東京の2つの会場で行われることとなっている。宮崎会場では、実際に省力・低コスト造林作業に取り組んでいる現場を視察するプログラムも組まれている。

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