林業における新規事業開発/森ハブ・プラットフォームイベントの講演から

既報の通り、林野庁と一般社団法人日本森林技術協会(林業イノベーションハブセンター・通称:森ハブ事務局)は9月20日、東京都江東区の東京ビッグサイト内の会議室で森ハブ・プラットフォームイベントを開催し、(株)GREEN FORESTERS取締役CSOの中間康介氏が「林業における新規事業開発のポイント」と題して講演し、これから林業分野に新たに参入しようとする異分野の企業のスタンス、あり方などを伝授した。講演要旨は次の通り。
森林・林業分野には異業種からの新規参入やオープンイノベーションが必要不可欠。しかし、新規参入には様々な課題がある。たとえば、所有者不明林や小規模分散所有といった所有構造の課題や、低い給与水準や高い死亡率といった労務管理の問題等があげられる。
解決に向けて尽力しなければならないが、▽業界内に積極的なR&D投資できるプレーヤーが少ない▽地域性が高く、地域ごとにプレーヤーが小規模分散しており、多額な投資を伴う資本力が不足している―ことなどが障壁となっている。
何かしらの工夫をしないと新規参入しても成功は難しい。そこで「森林・林業分野における新規事業開発ガイドライン」と「森林づくり分野への異業種からの参入ガイドライン・事例集」を作成した。
異業種から森林・林業分野への新規参入を促すことを目的として、実証事業の事例を分析し、まとめたものだ。重要ポイントやよくある失敗事例などを周知することで、事業の成功率を高める狙いがある。
様々な新規事業を分析してみると、市場価値の創出の方法には6つのパターンが存在することがわかった。売上げアップには、(1)森林コンテンツ活用(2)森林フィールド活用(3)まだ利用していない素材の活用(4)木材機能の改良、業務の効率化には、(5)これまで人が行っていた業務の機械化(6)業務自体の削減―などに着目した新規事業が成功をおさめているようだ。
パターン(5)に着目し、(株)はんぽさきの事例を見てみよう。同社は2020年に設立。東京都港区に本社を構え、地理情報システムを用いた業務課題の解決やDX支援などを手掛けている。
今年6月には、チームで使う共有地図アプリ「LivMap(リブマップ)」の提供を開始。設備管理、現地調査、農林水産業、災害対応など、これまで紙の地図や高額な専門機械などで行っていた業務をスマホで月額680円で利用できるようにした新サービスだ。
開発にあたり、まず安価で効率的な地理的情報管理・地図配信を業界で当たり前にしようという目標を立てた。本質的なフィードバックをもらえそうなユーザーを自治体経由で紹介してもらうことで、リアルな現場の声を聞き、実装すべき機能を検討。複数の地域・事業者と同時並行でヒアリングを進めることで共通課題を抽出した。
結果的に、月額680円という驚異的な安さでサービスを提供できるようになった。1次産業業界でのツール普及において安さは最重要事項。あらゆる業界向けに汎用化することで課題解決可能なユーザー数を確実に増やし、課金額の安さを正当化できるようになった。このように独自のポイントを見つけて新規事業を成功させよう。









