燃料材の増加続く/林野庁・「令和5年(2023年)木材需給表」公表

林野庁が先月27日に公表した「令和5年(2023年)木材需給表」によると、全体的に木材の需要量が減っている中、令和5年の非建築用材等が5058万9000立方メートルで前年に比べて3・3%増えている。中でも木質バイオマスのエネルギー利用として使われる燃料材が対前年比116・9%と大きく伸長。改めて、木材の燃料材としての利用が木材自給率の動向そのものに大きな影響をもたらすとともに、木質バイオマスのエネルギー利用が進んでいることを示した。
今回の「令和5年(2023年)木材需給表」は改めて燃料材の動向がクローズアップされる結果となった。木材の総需要量が落ち込む中、国内生産、消費ともに大きな伸びを示している。改めて、木材質バイオマスのエネルギー利用が木材の需要動向に及ぼす影響がどれくらいなのか、その大きさが表れている。
木材需給表によると、令和5年の燃料材の総需要量は、2029万3000立方メートル、令和4年実績の1736万5000立方メートルから292万8000立方メートル増えている。対前年比で116・9%と2桁増だ。着実に増えている。
総需要全体に対する構成比も令和4年の20・4%を5ポイント上回る25・4%。総需要量の中の構成比ではパルプ・チップ用材の34・8%、製材用材の27・3%次ぐ3番目にランクされている。また、国内生産での供給量も燃料材は、1113万7000立方メートル、対前年比108・8%と増えている。
こうした燃料材利用が広がりを見せる中、令和5年度の森林・林業白書は、木質バイオマスのエネルギー利用を(1)利用の概要(2)利用量の概況(3)木質バイオマスによる発電の動き(4)燃料材の安定供給等に向けた取組(5)木質バイオマスのエネルギー利用の熱利用(6)「地域内エコシステム」の構築―の観点から動向を分析している。
白書は、木質バイオマスの利用促進が我が国の森林整備・林業活性化等の役割を担い、地域の経済・高揚への波及効果も期待できるとしつつも、木質バイオマス発電の急速な進展による燃料材の需要の急激な増加、それに伴うマテリアル利用向けを始めとした既存需要者との競合や森林資源の持続的利用等を懸念。
そして「木材を建材等の資材として利用した後、ボードや紙等としての再利用を経て、最終段階で燃料として利用する『カスケード利用』や、材の状態・部位に応じて製材など価値の高い用材から順に利用し、従来であれば林内に放置されていた未利用の木材を燃料とすることを基本として木材の利用を進める必要がある」と対応を求めている。
エネルギーとして利用される木質バイオマスの量が年々増加しているのは、他ならぬ木質バイオマス発電所などが増加しているからだ。木炭、薪を含めた燃料材の国内消費量は前述した通りだが、特に燃料材の安定供給に向けては、引き続き林地残材の活用に取り組んでいく必要があると、白書は指摘している。
そして白書は、木質バイオマス発電におけるエネルギー変換効率が、蒸気タービンの場合、通常20~30%程度なのに対し、熱利用では80%以上得ることが可能であることから、熱電供給を含めた熱利用を積極的に進める必要性を強調している。









