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令和6年10月7日発行 第3523号 掲載

九州沖縄経済圏スマートフードチェーンプロジェクト事業化戦略会議を開催/農研機構

 農研機構(久間和生理事長)は3日、福岡県福岡市の電気ビルみらいホール及びWebにて、第6回九州沖縄経済圏スマートフードチェーンプロジェクト事業化戦略会議を開催した。
 農研機構は2019年7月に同プロジェクトを発足後、各プロジェクト課題について、共同研究機関等と研究の進展を図るとともに、九州沖縄経済圏の農業・食品産業界等のニーズを確認し、新たな研究課題のテーマについて協議してきた。今回はその成果を発表する機会として開催し、九州沖縄経済圏の農業・食品産業の競争力の強化につながる研究課題に関して事業化に向けた取り組みを説明したほか、有識者6名によるパネルディスカッションを行った。
 開会挨拶した久間理事長は、世界的食料需要の増加や来日外国人の増加などの追い風により農作物・食品を輸出するビジネスチャンスが生まれていると指摘。農研機構が目指す食料自給率向上や食料安全保障の確保などを実現する一端として立ち上げた九州沖縄経済圏スマートフードチェーンプロジェクトは6年目を迎えて、サツマイモ基腐病対策など取り組み成果が出てきているとし、本日はこうした成果を発信するとともに、輸出拡大と国内生産基盤強化をテーマに議論を行うなどと語った。そのうえで、九州沖縄経済圏における農産物・食品の産業競争力強化と輸出拡大を実現して、地方創生に貢献したいなどと強調した。
 続いて、来賓として一般社団法人九州経済連合会会長・倉富純男氏及び九州農政局次長・渡辺裕一郎氏、九州経済産業局局長・星野光明氏が挨拶し、それぞれ同プロジェクトの成果と事業化などに期待を寄せた。
 会議は2部制となっており、第1部は同プロジェクトの取り組みと成果が発表された。農研機構本部総括執行役兼事業開発部長・田中健一氏は「九州沖縄経済圏スマートフードチェーンプロジェクト成果の事業化と輸出拡大に向けた農研機構の取組み」を紹介。
 同プロジェクトは九州沖縄経済圏が誇る約2兆円という高い農業産出額に着目し、農研機構の有するノウハウを結集して生産性の向上や物流の効率化を通じて農畜産物・食品の輸出・生産基盤の強化を行うもの。2024年度プロジェクトでは(1)サツマイモ基腐病対策技術(2)収量向上による国産大豆の安定供給化(3)ウンシュウミカンにおけるシールディング・マルチ栽培技術の普及拡大(4)イチゴの輸出促進に向けた課題解決と産地拡大(5)緑茶新品種「せいめい」の産地形成と高品質・安定生産技術(6)牛肉輸出拡大に向けた生産基盤強化技術開発―の6課題を推進しており、今回はそのうち4課題の成果発表を行うとした。
 また、2023年度終了課題として輸送中のカンショ腐敗対策技術の普及についても披露。冬期海上輸送で大きな問題になっているカンショ腐敗を防ぐため、取り扱いの要点や高温キュアリング技術の留意点を解説した「輸送中のかんしょに対する腐敗防止方策標準作業手順書」を作成し、3月から提供開始。研修・講演会等で普及に努めている旨など紹介した。
 一方、(2)の国産大豆の安定供給化の発表では、九州の大豆は「フクユタカ」の作付け面積が9割を占め、昨今は単収が減少しており生産が不安定なことから、収量向上と後継品種の開発が望まれている。そこで、排水技術を利用した栽培管理として、カットブレーカーによる排水対策やディスク式高速一工程播種技術を示し、湿害対策に効果的であることを紹介した。
 また、難裂莢性品種として育成した「フクユタカA1号」や極多収品種「そらみのり」を紹介。管内で試験栽培を行い、概ね好成績を出したことから、今後さらに普及を進めていくなどと語った。
 第2部では、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)執行役・北川浩伸氏による特別講演「九州沖縄経済圏の農畜産物・食品輸出拡大に向けたグローバル戦略」及びパネルディスカッションが行われ、「九州沖縄経済圏における農産物・食品の産業競争力強化と輸出拡大」について議論を深めた。

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