温暖化影響調査レポート公表/農林水産省・令和5年まとめ

農林水産省は9月30日、「令和5年地球温暖化影響調査レポート」を公表した。これは都道府県の協力を得て、地球温暖化の影響と考えられる農業生産現場における高温障害等の影響、その適応策等について報告のあった内容を取りまとめたもの。調査対象期間は5年1月~12月。水稲をはじめ、果樹、野菜、花き、家畜等における主な影響、各都道府県の温暖化への適応策の取り組み状況等をまとめており、同省ではレポートに示されている影響、適応策等を参考としつつ、今後とも適応計画に基づく取り組みが各県で推進されることを期待している。
同レポートの概要をみると、令和5年の気象は年平均気温が全国的に高く、特に北・東日本では年平均気温が1964年の統計開始以降で1位の高温、西日本では1位タイの高温となった。秋は西日本太平洋側で記録的な少雨多照となった。
5年の発生報告の多い農畜産物における影響と適応策の実施状況をみると、水稲では出穂期以降の高温により、白未熟粒の発生による影響が全国5割程度でみられた。北日本、東日本では5割程度で昨年より多くなっており、西日本では4割程度でみられた。
発生抑制の適応策としては、水管理の徹底、適期移植・収穫の実施、穂肥施用等の肥培管理の徹底、適期防除の徹底、高温耐性品種の導入(高温耐性品種の作付面積は約18万ヘクタール、作付割合14・7%、前年産に比べ1・9ポイント上昇)などが行われている。
果樹については、リンゴでは、着色期から収穫期の高温により、「着色不良・着色遅延」の影響が全国3割程度でみられた。ブドウでは、果実肥大期以降の高温により「着色不良・着色遅延」の発生による影響が全国2割程度でみられた。ウンシュウミカンでは、日焼け果の発生による影響が全国3割程度でみられた。適応策としては、着色不良・着色遅延対策として、着色優良品種や着色を気にしなくてよい品種の導入。日焼け果対策として、遮光資材の活用、カルシウム剤の散布、樹冠表層摘果、被覆などが行われている。
野菜は、トマトでは収穫期の高温により、着花・着果不良の発生による影響が全国4割程度でみられた。イチゴでは花芽分化期の高温により、花芽分化の遅れの発生による影響が全国4割程度、西日本では5割程度でみられた。適応策は、トマトの着花・着果不良対策として、遮光資材の活用、細霧冷房・循環扇の導入、着果率の高い品種の導入など。イチゴの花芽分化安定・促進対策として、新品種導入、クラウン部冷却の実施、遮光資材の活用、培地昇温抑制、細霧冷房などが行われている。また、温暖化による新たな品目への取り組みとしては、サツマイモ(北海道、秋田)など。









