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令和6年9月30日発行 第3522号 掲載

新たなBS資材開発/バイオスティミュラント協議会

 日本バイオスティミュラント協議会(梶田信明会長)は9月12、13の両日、第7回講演会「バイオスティミュラント資材を知る~新たなバイオスティミュラント資材の研究開発と製品化~」をオンラインで開催した。
 バイオスティミュラント(BS)は、同協議会によると、「植物に対する非生物的ストレスを制御することにより気候や土壌のコンディションに起因する植物のダメージを軽減し、健全な植物を提供する新しい技術」であり、非生物的なストレスによる収量減少を軽減することが役割という。BSの基礎知識と最新の動向を知る年に1度のセミナーが実施され、今回は最新研究から見出された新規BSの開発状況などが報告された。
 開会挨拶した同協議会副会長の北口聡史氏は、4半世紀ぶりに改正された食料・農業・農村基本法にて環境調和が掲げられ、その実現のためにみどりの食料システム戦略が進められているが、同戦略にて「化学農薬の使用量低減に向けた技術」の1つにBSが示されていると述べ、BSへの期待と注目が高まっている旨などを紹介した。
 続いて講演に移り、12日は「バイオスティミュラントの基礎」のビデオ放映の後、▽植物の耐塩性を強化するバイオスティミュラント資材の探索(近畿大学農学部講師・佐古香織氏)▽虫こぶ形成研究から見出された新規生理活性ペプチドを利用した新規バイオスティミュラントの開発(京都府立大学生命環境科学研究科教授・佐藤雅彦氏)▽葉緑体誕生の仕組みの探索から生まれたシアノバクテリア由来バイオスティミュラント(パナソニックホールディングス(株)テクノロジー本部主幹研究員・児島征司氏)―の3講演が行われた。
 そのうち佐古氏は、植物が受ける環境要因による非生物ストレスのうち、塩害に注目。津波や高潮、海面上昇、灌漑による塩害が世界各地で発生しており、塩害に強い農作物や肥料の開発が求められていることから、耐塩性を強化するBSの開発を目指して耐塩性化合物の探索を行った。
 佐古氏は化合物ライブラリーに登録されている化合物を用いて、塩と化合物を植物体(シロイヌナズナ)に付与して生存率を計るケミカルスクリーニングを実施。スクリーニングによって新規化合物FSL0260を同定し、また、Natlen128を耐塩性化合物として単離した。前者は植物ミトコンドリアの電子伝達系を阻害し、代替呼吸系を活性化することで植物の耐塩性を強化するという。この働きは植物特異的なため、人体への毒性が低いBS開発が期待できると述べた。
 また、化合物の研究を通じて、エタノールが高塩のみならず、乾燥・強光・高温のストレスに対する耐性を強化することを発見。エタノールは安価で毒性が低いことから、BSの実用化を目指してさらに解析を進めているなどと紹介した。
 翌13日は同協議会の活動報告の後、▽乳酸菌培養液を用いたバイオスティミュラント開発~作用機序と作物での実証効果~(北海道大学大学院理学研究院准教授・佐藤長緒氏、雪印種苗(株)園芸部企画グループ・小鑓亮介氏)▽酢酸バイオスティミュラントの基礎と海外展開(アクプランタ(株)CEO・金鍾明氏)―の2講演が行われ、参加者はそれぞれ理解を深めた。

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