MENU
令和6年9月23日発行 第3521号 掲載

特色ある産地つくる/四国4県の「水田フル活用」・四国農機展特集

 「水田収益力強化ビジョン」は、地域の特色ある魅力的な生産品の産地を創造するための地域の作物振興の設計図としてきた「水田フル活用ビジョン」を発展させ、高収益作物の導入等による収益力強化や、畑地化を含む水田の有効利用を含め、産地としての課題と対応方向を明確化することにより、需要に応じた生産と特色ある産地づくりに向けた取り組みを推進することを目的とし、策定するもの。同ビジョンから、各県の取り組みを紹介する。
 【愛媛県】
 水田農業においては、県農業産出額の12%(令和2年度)を占める水稲を主体に、裸麦、大豆、野菜等を組み合わせた生産を行っている。同県は中山間地域の占める割合が高く、水田農業において重要となる低コスト化、省力化への取り組みが遅れていることに加え、農業従事者の高齢化等による担い手不足、それに伴う水田の減少等、多くの課題を抱えている。
 このような中、担い手の経営安定と同県水田農業の持続的発展のためには、主食用米の競争力強化と併せて戦略作物である飼料用米、麦、大豆の他、特産野菜等を組み合わせた水田のフル活用等により農家所得の拡大、農地の保全と高度利用を目指した水田農業経営の推進が不可欠である。
 米の消費県である同県においては、県内需要に対応できる生産力を維持するとともに、県産米の需要拡大を図るために次の取り組みを行う。
 (1)県域段階では、県農業再生協議会が、市町段階では地域協議会が、県や関係機関・団体と連携して、主食用米の生産量を判断する際の参考となる「生産の目安」等の情報提供を行い、需要に応じた生産を継続実施するとともに、実需者や消費者に対する同県オリジナルの新品種「ひめの凜」など県産米のPRや需要の拡大を進める。
 (2)県特別栽培農産物等認証制度(エコえひめ)やGAP、エコファーマー等の制度を活用し、安全・安心な地域ブランド米の生産拡大や、環境に配慮した農業生産を進めるとともに、農産物直売所の活用等による地産地消の取り組みを推進する。
 (3)近年の温暖化や気象変動に伴う米の品質低下に対応するため、土づくりを基本に、地域に適した高温耐性品種の導入や栽培技術の普及を進め、安定生産技術の確立を図るとともに、県産米のブランド化と需要拡大につなげる。
 【高知県】
 平成26年産米の大幅な価格低下を受け、飼料用米を中心とした非主食用米への転換を推進してきたが、依然、主食用米の過剰作付けが続いている。平成30年産からは、国からの生産数量目標の配分が廃止されたが、県において県全体の生産数量目標を設定し、市町村や地域農業再生協議会ごとの生産の目安を示すことにより、引き続き需要に応じた米生産・販売を推進する。
 また、県が策定している「産業振興計画」の取り組みを進めていく中で、水稲の作業受委託や機械の共同利用を行う集落営農の組織化・法人化を図っていく。さらには、各市町村における人・農地プランと連動させながら、経営規模拡大の意欲ある稲作経営体に、農地中間管理機構を活用して農地の集積・集約化を行い、水田農業における担い手の育成・確保を図っていく。
 県内の約2万ヘクタール(不作付地を含む)の水田について、適地適作を基本としながら、担い手による生産拡大を推進して、主食用米から飼料用米を中心とした非主食用米へ転換し、バランスのとれた主食用米と非主食用米の生産を推進する。
 主食用米については、温暖な気候を活かした早期米の計画的な生産を促進し、極早生品種の「南国そだち」や平成30年に新たな県奨励品種として採用した「よさ恋美人」から「コシヒカリ」へとつながる早期米のリレー出荷を行い、県外を中心に有利販売を行っていく。
 【徳島県】
 県土の大半を占める中山間地域では、冷涼な気象条件を活かした夏イチゴや山菜類等、地域の実情に応じた高収益作物や特産物が栽培されている。しかしながら、農村地域においては、就農者の高齢化や担い手減少、不作付地の増加、集落機能の低下等が進行しており、とりわけ中山間地域では一層深刻な状況となっている。さらに、近年では高齢化、人口減少や食の多様化、さらにはコロナ禍に伴う外食需要減少の影響等により、米価が低迷し、産地では水田営農の維持が危惧されている。このことから、担い手の育成・確保はもとより、農地利用の効率化・高度化及び有効活用を図るため、農地中間管理機構等との連携により、多様な担い手への農地集積の推進を図っている。
 また、県内農地の約7割を占める水田の営農対策をより効果的に推進するため、県独自に水田活用の方向性と、同県に即した経営所得安定対策等を活用した「徳島型水田農業モデル」を推進する「徳島県水田活用強化戦略」を策定し、農業経営の安定や産地強化を進めている。
 平坦地域では、主に圃場整備が進んでいる地域を中心に、担い手への農地集積やICTを活用したスマート農業の導入を推進することにより、生産性や品質の向上を図る。
 主力品種の「コシヒカリ」については、高温期対応の水管理技術の推進により、さらなる高品質化を図る。また、2018年度及び2019年度の食味ランキングにおいて特A米に認定された「あきさかり」の食味向上を見据えた高品質・安定生産を推進する。
 【香川県】
 同県の耕地面積の83%を占める水田において作付面積の50%を占める水稲は、同県農業の重要な基幹作物であり、水稲の生産を通じて水田農業の維持と耕種農家の経営安定を図っていくとともに、同県特有の水路やため池を含めた水田の多面的機能や望ましい農村環境を維持することが必要である。
 また、県オリジナルの水稲品種「おいでまい」や小麦品種「さぬきの夢2009」等、同県の強みを活かした競争力のある農産物の生産拡大と生産コストの低減が求められている。
 水稲の作付面積の確保と生産振興を図るため、麦等との二毛作を基本とした作付け推進を行うとともに、主食用米については、県オリジナル育成品種「おいでまい」を核とした売れる米づくりを進め、県産米の戦略的な生産を進める。
 県オリジナル育成品種「おいでまい」については、生産量を増加させていくこととし、ブランド化に向けた取り組みを強化するとともに「特A」評価を維持できるよう高品質、良食味を維持した生産に努める。

カテゴリー別最新ニュース