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令和6年9月16日発行 第3520号 掲載

技術指針(案)にみる造林技術

 前号に引き続き、林野庁造林間伐対策室(天田慎一室長)が「我が国における省力・低コスト造林の確実な実装を図るための道しるべが必要」として作成した「省力・低コスト造林に係る技術指針(案)」の「造林の具体的な省力・低コスト化技術」を取り上げる。伐採と造林の一貫作業をはじめとして、低密度植栽や機械化対応が一部進行している下刈りに関連する取り組みなどだが、各地で進められている現地実証等から省力化やコスト削減の効果が示されている。
 林野庁造林間伐対策室が作成した「省力・低コスト造林に係る技術指針(案)」では、具体的な省力・低コスト化技術として、(1)機械による地拵え(2)機械による苗木運搬(3)コンテナ苗の植栽(4)伐採と造林の一貫作業(5)低密度植栽(6)下刈り回数の削減(7)下刈り面積の削減(8)付帯施設を取り上げて解説を加えている。今週は(4)~(8)についてみる。
 【伐採と造林の一貫作業】
 伐採と造林の一貫作業は、機械による地拵え、機械による苗木運搬、コンテナ苗の植栽を並行または連続して行う作業である。これらの作業を一体的に行うことにより、地拵えから植栽作業に係る省力・低コスト化が可能となる。
 一貫作業の実施に当たっては、伐採を行う素材生産事業者と造林事業者が異なることが多いことから、各段階における作業手順の検討はもとより、作業間の連携や、伐採・搬出作業と造林作業の連携を図ることが重要である。
 そのため、(1)複数の関係者で作業を行うことが多くなることから、それぞれの作業分担、作業日程等について事前に打ち合わせすること(2)作業の進捗状況や見通しについて共有するなど密に連携すること(3)伐採を行う際から、その後の造林作業の効率を考えた作業をすること―等に留意が必要である。
 【低密度植栽】
 低密度植栽とは、一般的に普及している植栽本数である3000本/ヘクタール程度よりも低密度で植栽する方法である。
 植栽本数を減少させることにより、苗木に係る資材費及び植栽に要する労務費が低減でき、省力・低コスト化が可能となる。
 また、植栽時のみならず下刈りや除間伐等を行う際にも、当該作業の対象となる植栽木の本数が少ないことから、省力化が図られる。
 低密度植栽の実施に当たっては、植栽樹種の特性、積雪による枯損の可能性、ツル植物を含む競合する雑草木の繁茂状況等を勘案して、植栽密度を検討することが重要である。
 【下刈り回数の削減】
 下刈りは、植栽木と雑草木の競合状態をもとに、実施の要否を判断することにより、不要な作業を行わないことが可能となる。
 下刈りの要否は、下刈り予定年の春あるいは前年の秋において、競合する雑草木の種類や群落高を基に判断する。その際、植栽木の成長に著しい影響を生じさせないよう、樹種特性を踏まえた要否の判断が重要である。
 植栽木として大苗や成長に優れた苗木等を用いることでも、周辺の競合する雑草木との樹高競争から早期に抜け出し、下刈り回数の削減や下刈り完了までの期間を短縮することが可能となる。
 【下刈り面積の削減】
 下刈り面積の削減は、植栽木の成長に直接的に影響を及ぼす周辺の雑草木のみを刈り払うことで、対象地域の全ての雑草木を刈り払う場合と比較し、下刈りの省力化が可能となる。
 刈り払い面積を減少させる方法としては、筋刈りや坪刈りがある。
 下刈り作業の実施に当たっては、刈り残しや雑草木が植栽木に影響を与えないよう、樹種特性や競合する雑草木に留意する必要がある。
 【附帯施設】
 架線やフォワーダなどの伐採時に利用した機械を用いて、シカ柵ネット等の附帯施設に係る資材運搬を行うことで、人肩運搬と比較して省力化を図ることが可能となる。

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