指導者向け研修会開催/十勝で安全活動

十勝地区農作業安全運動推進本部(有塚利宣本部長)は8月20日、十勝農協連ビル4階の第1会議室で、令和6年度の農作業安全指導者研修会を開催した。今回は、家畜糞尿施設における事故防止、農作業事故の実態、作業機を装着したトラクタの公道走行、自動操舵システムの安全利用などに関する次の6講演が行われた後、質疑応答の時間も設定された。講演は次の通り。
▽スラリー散布/肥培かんがい施設における事故防止=北海道開発局・河田修二課長補佐▽北海道の農作業事故の現状について=北海道農作業安全運動推進本部・興村貴洋事務局長▽農作業機を装着・牽引して走行する農耕トラクタの規制緩和と具体的な対応について=北農工・竹中秀行専務▽自動操舵トラクタの安全操作について=北海道クボタ・今野智望氏▽農・畜産業における労働災害発生状況および労働災害防止策=帯広労働基準監督署・田中達徳課長
この中で河田氏は、密閉式の家畜排泄物処理施設は、不用意に立ち入ると酸素欠乏や硫化水素中毒で死に至る事故にもつながる可能性があると注意し、危険性を認識するとともに、立ち入り禁止の警告看板の設置、貯留、槽の開口部への蓋や進入防止柵の設置、あるいは建屋内での換気対策、火気の取り扱い禁止などの対策を促した。
興村氏は、北海道農作業安全運動推進本部が道やホクレン、北農工、農機流通に関わる民間企業など16団体からなる組織で、14の地区本部で活動していると説明。農作業事故は、10万人当たり死亡事故発生率でみると全産業の9・3倍と高く、特に60歳以上の高齢者の割合が高い(死亡事故の75%、負傷の37%)、死亡事故の75%は農機による事故。牛による負傷事故については、搾乳と移動時で全体の64%―などの統計数値を示した。また、農作業安全情報センターのWebサイトで事故関連の知識が得られることを紹介。それらを踏まえ事故防止に注意を払うよう呼びかけた。
竹中氏は、作業機を付けたトラクタの公道走行について、法規制緩和の経緯を説明。公道走行に必要な灯火、赤色反射器の取り付け位置や、作業機を装着・牽引して操舵装置の車両軸重量が20%未満の場合はフロントウエートなどを追加して20%以上にして走行すること、大特ではリアオーバーハングが軸間距離の2分の1を超える場合、車検証の記載事項変更の手続きを行い、かつリアオーバーハングの値を作業機後面および運転席に表示するなどの要件を満たすことなど、必要事項の細部を解説し、また、これらは北農工HPに掲載されていると紹介した。
今野氏は組織の枠を越えて農作業安全に取り組むことは地域農業の活性化につながると指摘。訓子府実証農場での実機研修会でトラクタの死角確認や転倒角度体験、ミニチュア農機を活用したヒヤリハット事例の意見交換などを行ったことを紹介。自動操舵システムの安全利用では、同システムは操舵制御のみなので搭乗者が判断し危険を回避することが求められるとし、よそ見しない、機械から降りない、自動旋回機能は旋回はするが他の操作は搭乗者が行う、そのまま旋回すると作業機の破損につながる―などの注意点を強調した。
労働災害の実態を説明した田中氏は、帯広署管内の農作業や畜産業の死傷災害の推移を踏まえ、農業関係では、経験年数の短い層の割合も多く、短期アルバイトなども視野に入れた管理を要すると指摘。まずは危険を想定・意識し、知識の定着・意識化で危険予知の確立を高める、作業員の不安全行動の「知らない」「できない」をどう補うかが重要などと説いた。 また、車両系の災害防止策として、確実な立ち入り禁止措置、路肩などの転落防止措置、機械の特性を知る(死角などの教育訓練)―をあげ、畜産業関連では、牛が生き物であることを前提に、管理面では無用な刺激はしない、設備面ではスタンチョンなどで牛を固定し動きを制限するといった安全対策をあげた。









