2~3万台で市場安定/ロータリ除雪機市場

「販売店などの店頭在庫が例年よりも多い」と言われる中で、今シーズンはスタートした。ただ製造メーカーによると、受注状況は「出足は極端に鈍かったものの、7月末時点では計画比で順調に推移している」とのことで、稲刈りが始まり販売最前線としては最も多忙な期間に入るだけに、これから11月までにどう実需に結び付けるかが勝負となる。
もう1つ、いつも指摘することだが、除雪機はここ数年はマイナーチェンジが多く、画期的な新製品は投入されていない。主要農機がスマート農業へ対応するために、データ駆動型の栽培管理支援システムなどイノベーションが生まれているのとは対照的だ。
ホンダのハイブリッド型(足回りがモーター=細かい速度調整が可能、オーガ=パワフル除雪、シューターがエンジン)が投入されて20年以上経つが、それ以降は大型化・高出力化が進んだほか、機能面、デザイン面含めてワクワク感が感じられない。
ただ、高出力化・高機能化・高額商品化によって、降雪地における冬場商品として存在感を高めており、需要量もここ5年間をみると、年間2~3万台は堅く、コンバインの1万3000台、田植機の1万9000台(いずれも2022年)を上回り、秋商戦後の貴重な戦力に位置付けられている。雪の多寡にあまり左右されない柔軟な安定した市場の形成が必要だろう。販売・サービスの周年化、売上げのヤマとタニの落差の平準化などが望まれよう。
また、昨年の除雪機特集(本紙8月28日号)で触れた三菱重工メイキエンジン(株)の(株)名光精機への事業譲渡の件は計画通り伸展し、三菱重工メイキエンジンは2024年3月29日付で三菱重工グループを離脱、名光精機の100%子会社となり、これを機に社名を三菱重工メイキエンジン(株)から新たに「(株)Willbe」に変更した。 国内の数少ないエンジン専業メーカーとして、引き続きガソリンを中心としたエンジンを造り、カーボンニュートラルに向けた代替燃料に対する製品開発も視野に入れている。
さらに「Willbe」は、ヤマハからヤマハモーターパワープロダクツの事業譲渡を受け、今後はエンジン中心の「MEiKi POWER」、発電機や除雪機などの完成品を中心とした「Earth POWER」という2つのブランドを展開していく。
同社では、もともとの三菱重工メイキエンジンは国内市場がメーンだった。それに加えて今回海外に強いヤマハの販路も継承するため、海外売上比率を向上させ、5年後の売り上げ目標を180億円としている。
カーボンニュートラルへの取り組みをはじめ、事業環境は大変厳しいが、Made in Japanの力を発揮して、新しい市場を切り拓いてほしい。
除雪機の供給体制が新たに整い、市場が活性化することに期待したい。
また、除雪機では、ロータリータイプのほか農機業界が切り拓いたのがトラクタマウント方式の除雪機である。冬場におけるトラクタの稼働率向上に貢献するものだ。これは豪雪地帯独自の仕様というべきもので、除雪幅は2~3メートルと大きく、投雪距離は、よく言われるようにビニールハウスを飛び越える能力が求められる。大型は受注生産が多いが、ここ3年間は豪雪が続いたため「完売」を続けている。









