技術指針(案)にみる造林技術

林野庁造林間伐対策室(天田慎一室長)が先に「我が国における省力・低コスト造林の確実な実装を図るための道しるべが必要」として作成した「省力・低コスト造林に係る技術指針(案)」。現在、全国5カ所での「省力・低コスト造林技術の普及に向けたシンポジウム」で林業事業体、経営体に向けて説明するとともに、その後のディスカッションの場などで意見を収集し、よりよい指針を作ろうとしている。同指針(案)から造林の具体的な省力・低コスト化技術に迫った。
林野庁造林間伐対策室が作成した「省力・低コスト造林に係る技術指針(案)」は、趣旨、本指針の対象範囲、用語の定義、通常の造林技術、標準的な組み合わせとともに、具体的な省力・低コスト化技術として、次の8つを取り上げ、解説を加えている。
(1)機械による地拵え(2)機械による苗木運搬(3)コンテナ苗の植栽(4)伐採と造林の一貫作業(5)低密度植栽(6)下刈り回数の削減(7)下刈り面積の削減(8)付帯施設
指針(案)では、各技術について次のように説明している。
【機械による地拵え】
機械による地拵えは、伐採・搬出に使う林業機械等を地拵えに活用する作業であり、人力による地拵えと比べて、作業の省力・低コストを図ることが可能となる。特に平坦地や緩傾斜地にあっては、機械を林内走行させることでグラップル等による作業範囲が広くなることから省力化の効果が高い。
機械による地拵えの実施に当たっては、伐採・搬出時に使用したグラップル等を用いて作業するが、伐採作業段階からの末木枝条の筋置きや、全木集材による末木枝条の林外への持ち出しなど、地拵えの生産性向上を意識した伐倒処理を行う必要がある。なお、造林作業まで一定の期間が空く場合であっても、機械を他の伐採現場へ移動させる前には、地拵えを終わらせることが重要である。
【機械による苗木運搬】
機械による苗木運搬は、集材・搬出時に利用したフォワーダや架線系の機械を用いて行う作業であり、人肩による運搬と比較して省力化を図ることが可能となる。
苗木運搬に当たっては、伐採・搬出の完了時期と植栽時期を綿密に調整して作業計画を検討することが重要であり、植栽適期が長い等の特性を有するコンテナ苗の利用が推奨される。苗木の搬入直後に植栽できない場合には、日射を避けた現地保管や仮植を適切に行う必要がある。
【コンテナ苗の植栽】
コンテナ苗は、植栽の適期が長いことから、植栽作業の時期を平準化することが可能となるほか、植栽時の植え穴掘りの作業が裸苗植栽に比較して容易であるため、熟練者でなくとも植栽の作業の省力化が可能となる。
コンテナ苗の選定に当たっては、地上部と根鉢が十分に発達した優良な苗木を選ぶようにする。
コンテナ苗の植栽に当たっては、根鉢が崩れないよう運搬し、土壌が極端に乾燥する時期や凍結する時期を避けるようにする。また、事業地の傾斜や土壌等の条件に適した植栽器具を使用することで、植栽効率をあげることが可能となる。
シンポジウムでは、指針(案)のポイントや生産事例、実証効率、調査結果などを示している。









