コンバインの農作業安全を/クボタがWEBセミナー

(株)クボタ(北尾裕一社長)は8月21日、「明日から取り組める農作業安全コンバイン編」と題したWEBセミナーを開催した。同社の担当者がコンバインの特性やヒヤリハット事例、安全作業のポイントなどについて紹介した。セミナー要旨は次の通り。
クボタでは農作業安全への取り組みとして、農機の開発や展示会・研修会での推進活動などを行っている。近年ではSNSをはじめとしたWebでの情報発信も強化。2022年からは農業従事者を対象としたアンケート調査を実施しており、全国から様々な事故やヒヤリハット事例に関する情報が届いている。
安全対策を進めていく上でこうした事例を共有することは再発防止のために非常に重要だ。農作業安全の推進はトラクタを主体にしたものが多いが、秋作業に向けて今回はコンバインに着目し、農作業安全について改めて考えたい。
コンバインのヒヤリハットには様々な事例がある。作業中に起きることとして▽圃場からの出入り、畔越えなどで脱輪やバランスを崩して横転しそうになった▽田んぼから道に出るときに前部が浮き上がった▽後進中に人にぶつかりそうになった▽運転手以外の作業員が田んぼ内にいた―などの声が寄せられた。
コンバインには車体が傾きやすい特性がある。とくにクローラ式はホイル式に比べて小さな段差でも大きく傾いたり、振れたりしやすい。
対策として、あぜ道の走行では急な旋回を避け、路肩から十分な距離を取ることを徹底。転倒を避けるためには危険箇所の洗い出しが有効だ。急斜面の出入口や軟弱な路肩、水路、崖、段差、坂道といった危険箇所のマップを作成し、走行経路を再確認。路肩を草刈りすることで路肩の状態を見える化し、軟弱箇所を補強したり、危険箇所にはポールなどの目印を設置したりするのが理想だ。
圃場の出入りは前後と横の傾きに注意。10センチ以上の段差には、高さに対して4倍以上の長さのあゆみ板を使用し、圃場から出る前に籾を排出しておく。
また、コンバインは運転席からの死角が大きく、後ろが見えにくいという特性も。後進時は後方に人や障害物や段差がないかどうかをしっかり確認。バックミラーやバックモニターにも死角があるため、目視での後方確認を忘れず、低速で後進することが大切だ。補助者がいる場合は協力して確認し合おう。
手こぎ作業・手差し注油時のヒヤリハット事例には▽手刈りした稲をフィードチェーンから入れる際、稲の量が多すぎて手で押し込む時に巻き込まれるのではと怖い思いをした▽手差し注油時にベルトが手袋に当たって手が持っていかれそうになった―などがある。
対策として、▽確実に停車して刈り取り部を下げ、チェーンの外側で作業する▽巻き込み防止のために服の袖口を締めて手袋は外す―ことなどを意識しよう。
点検時も要注意。コンバインの清掃中に刃が手に当たって手袋が切れたり、カッターを掃除しているときに指を怪我したなどといった声も多く寄せられる。
点検時には保護手袋を着用し、回転部の巻き込みと刃部による切創に注意。ロックがかかる位置まで確実に開くことも重要だ。
日常点検では、特に回転部(ベルトやプーリ付近)、高温部(エンジン、マフラ、DPF付近)、バッテリー、配管経路付近に特に注意を払おう。わらくずや泥の溜まり、燃料・オイルの付着を丁寧に除去することで、順調稼働ができ、発火も防止できる。
このほかにも▽作業前に注油しながらチェーンやベルトの張りを確認し、エンジン音、回転数、異常音などをチェックしている▽チェックシートに沿って安全点検した後に営業所の地区担当者に最終点検をお願いしている▽シーズン終了時の清掃を徹底している―といった日常点検を心がけている農業従事者もいるようだ。
クボタの公式サイトでは、各機種の取扱説明書が確認できるほか、セルフメンテナンスについての説明やチェックシートなども用意している。使い慣れた機械でも今一度、再確認することを求めたい。
クボタでは農作業安全の合言葉「そとのはたけ」を作成した。作業時に特に注意すべき転倒、転落、巻き込まれ、熱中症などへの対策を次のように頭文字で分かりやすく表現。「そ」は装着!シートベルトとヘルメット。「と」は止めて!エンジン。「の」は飲んでね、お水。「は」は背後を確認。「た」はタオルは首にかけない。「け」は傾斜と路肩に注意。
安全に配慮することで生産性向上にもつながる。機械の特性を再確認し、安全安心な農作業を実現させよう。合言葉「そとのはたけ」も忘れずに。
これからコンバインの本格稼働期を迎える。今年も笑顔で大きな稔りを手にしたい。









