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令和6年9月2日発行 第3519号 掲載

資源循環型社会へ/関東農政局がみどり戦略勉強会

 関東農政局は8月26日、みどりの食料システム戦略勉強会(第22回)をオンラインで開催した。これは同戦略に関係するテーマについての勉強会を毎月実施しているもので、今回から「国内資源由来肥料の利用について」をテーマにしている。その初回は「朝日アグリアの国内肥料資源活用の取組み」と題し、朝日アグリア(株)事業戦略部部長の木村亨氏が登壇した。同社は、肥料事業を中心に展開する農業資材メーカー。「資源循環型社会の実現を目指す」を企業理念に掲げ、粒状有機肥料では国内トップシェアを誇る。
 木村氏は最初に、我が国の肥料市場の現状を解説した。化学肥料の主な原料である尿素、りん安、塩化加里はほぼ全量を輸入に頼っており、輸入先も特定の国に偏っている。そのため、国際市況や為替の影響を大きく受ける構造となっており、令和3年秋以降、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で肥料価格は高騰を繰り返している。一方、政策に目を向けると、みどりの食料システム戦略では、2050年までに化学肥料使用量を30%削減することを、食料安全保障強化政策大綱では、2030年までに堆肥・下水汚泥資源の使用量を倍増し、国内資源の肥料への利用割合を40%まで拡大することを、それぞれ目標としている。このような状況を背景に、木村氏は「今こそ、国内の肥料資源の有効活用による肥料生産のイノベーションにより、将来にわたって持続可能な農業生産への転換が必要だ」と強調した。
 続けて、同社の強みとして▽有機肥料を使いやすくする粒状加工技術▽有機肥料の低価格化・安定供給を目指した未利用資源の活用▽新商品開発への挑戦―をあげ、企業理念や強みを最大限に活かす道を追求した結果、堆肥活用に行き着いたと語った。「堆肥を極める」を同社のキャッチフレーズに、新たな堆肥市場の創造と、堆肥活用肥料の全国展開を目指した取り組みを加速させている。
 2020年に行われた肥料法改正も、同社の事業を後押しした。牛ふん堆肥を混合堆肥複合肥料に使用できるようになったほか、土壌改良資材を混ぜた指定混合肥料の販売が認められるなど、配合ルールが大幅に緩和されたのだ。この改正を受け、同社が2021年から販売を開始したのが、牛ふん堆肥を主体に、化成肥料と土壌改良資材等を配合した粒状の指定混合肥料。多くの地域から引き合いがあり、既に4500トンの販売実績を上げているという。
 地域で発生した堆肥を原料とし、その土地に適した肥料を開発する、堆肥地域循環にも積極的に取り組む。原料調達から作物生産に至るまで、地域内での資源循環流通を埼玉、千葉、静岡など9県で実施。今後、さらなる拡大を目指す。この取り組みは、肥料を利用する耕種農家だけでなく、堆肥の供給元である畜産農家からも好評で、「定期的に堆肥を引き取ってもらえるので、堆肥の在庫が過剰にならず助かる」「堆肥を原料にした肥料が好評で普及が進んでいることは、励みになっている。朝日アグリアには、畜産農家と耕種農家との架け橋になってほしい」などの声が届いているという。
 同社は今後、有機性廃棄物の中で最も量の多い”汚泥”を活用した肥料開発にも挑戦していくとし、そのためには、行政や市場との対話を通じて、安全性の確保や安心感の醸成が必要だと述べた。さらに今後の展望として「堆肥・汚泥資源を含めた地域資源の積極的な活用を図り、肥料国産化、資源循環型社会の実現を目指した事業展開を図っていく」と力強く語り、講演を締めくくった。

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