冷凍野菜の魅力発信/農林省が野菜の日シンポ

農林水産省は8月21日、令和6年度「野菜の日」Webシンポジウムを開催した。
8月31日が野菜「8(ヤ)3(サ)1(イ)」の日であることにちなみ、野菜の消費拡大の機運を醸成することを目的としたイベントで、今年は「『冷凍野菜』を生活に上手に取り入れるために」をテーマに、専門家や生産現場の担当者らが講演を行った。1日の野菜摂取目標量は350グラムとされているが、実際の摂取量の平均は280グラム程度に留まっており、国内の野菜需要量は減少している。一方、冷凍野菜は保存性や利便性の高さ、品質の良さなどが評価され、その市場は増加傾向にある。そこで今回のシンポジウムでは、冷凍技術の進展や冷凍野菜の魅力を発信することとした。
最初に行われた基調講演「冷凍野菜のサイエンス」では、食品の冷凍保存の研究を行う東京海洋大学教授の渡辺学氏が登壇。渡辺氏は、食品を長期保存するためには、食中毒や腐敗に関係する微生物を増殖させないことが必要だとし、そのためには殺菌や乾燥、発酵などの方法があるが、生鮮食品をそのままの状態で保存できるのは凍結だけであるとし、「凍結は究極の食品保存に最も近い方法だ」と述べた。そして、凍結前と同じ状態に復元することを最終目標とし、そのためには、凍結前処理・凍結・貯蔵・解凍(調理)という4つの工程全てで高いレベルの技術が必要だとした。特に青果物の場合は凍結前処理で行うブランチング(調理に満たない程度の加熱)や、各食材に適した解凍(調理)が、食感の向上やドリップロスにつながることから、この2つの工程に着目した技術開発が更なる発展に有効であると指摘した。
続いて、4つのミニ講演が行われた。このうち、冷凍野菜の製造を行う(株)ジェイエイフーズみやざきで原料調達を担当している伊豆元文博氏は、「冷凍野菜原料の安定供給のための取り組み」について解説。同社ではホウレンソウ2600トンをメーンに、ゴボウやサトイモなどを冷凍加工している。現在抱える課題として、▽高齢化や離農者が増加する中、工場の年間稼働に必要な原料をどう維持していくか▽気候変動やコスト上昇にどう対応していくか―などをあげた。
令和5年度のホウレンソウの生産者は52名、圃場面積は129ヘクタールで、このうち26・5ヘクタールを自社農場で作付けしている。収穫機の改良など機械化を進めて省人化を実現し、工場から20キロ圏内の圃場から、収穫後30分以内に冷凍加工して鮮度を保つなど、原料部門と生産部門が協力しながら、よりよい冷凍野菜の製造に努めている、などとアピールした。









